【プロ野球】成績で”背負ってる男”ヤクルト・山田哲人の凄さ

デイリーニュースオンライン / 2016年7月23日 16時6分

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「今は、持っているのではなく背負ってます」という名言を覚えている野球ファンも多いのではないだろうか。斎藤佑樹(日本ハム)が2012年の開幕戦で完投勝利を挙げた後にインタビューで発したセリフだ。

 そのセリフを、成績をもって体現している選手がいる。それはヤクルトの山田哲人だ。

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■成績で背負っている!

 昨シーズンのヤクルトは山田が本塁打王と盗塁王。畠山和洋が打点王。川端慎吾が首位打者、最多安打を獲得。この3人が優勝に大きく貢献したことに異論はないだろう。

 しかし、今シーズンは序盤に畠山が離脱。そして、神宮球場90周年の記念試合で川端が自打球により骨折、復帰は早くても9月だという。

 その2人の穴を埋めるのは山田において他ならない。「背負ってます」というセリフこそ残していないが、7月20日の時点で打撃三冠。最多安打、盗塁王などでもセ・リーグのトップを走っている。文字通り川端、畠山の働きになるはずだったものも背負っているのだ。

■高校時代は逃げていた!?

 履正社高時代、岡田龍生監督は同校の先輩・T-岡田(オリックス)と比べ、山田に対して「もったいない」と常々感じていたという。T-岡田は入学当初から「プロ入り」とうい目標を明確に持って練習に取り組んでいた。しかし、2年生までの山田はそうではなかった。

 山田は副キャプテンを断っていたというほど、「責任」から逃げていた。

 しかし「プロに行く」と目標が明確になった途端、山田の取り組み方が180度変わったという。その結果、40度の高熱にもかかわらず、迷惑をかけたくない一心で出場した大阪大会のPL学園戦では、9回に同点打を放ち甲子園出場を手繰り寄せた。それほどまでに山田は変わったのだ。

■心の根っこは心配性?

 レギュラーシーズンのヒーローインタビューでも常に謙虚なコメントを発する山田は「持っている男」でも「神ってる男」でもない。

 開幕前のインタビューでは「開幕したくない」「活躍できなかったらどうしよう」と、不安を口にするほどの心配性。常に不安と戦い、どんなに好成績を残しても必ず試合前に11種類のティーバッティングを行う努力の男だ。そして、胸に秘めた思いを試合にぶつけ、結果を出していく。

 山田はコメントではなく結果で示しているのだ。

 先のオールスターゲームで、山田はホームラン競争で敗れた。試合でもノーヒット。「持っている男」の活躍ぶりは発揮できなかった。

 やはり、山田は「持っている男」ではなく「背負っている男」なのだ。後半戦の山田はケガで離脱している仲間の想いを背負い、さらなる活躍をしてくれるはずだ。

 山田が見ているのは三冠王やトリプルスリーではない。山田が背負っているモノの先にあるのは個人記録ではなく、チームの勝利、そしてCS出場なのだ。

文・勝田 聡(かつた さとし)
※松坂世代のひとつ上にあたりサッカーの黄金世代となる1979年生まれ東京育ち。プロ野球、MLB、女子プロ野球、独立リーグと幅広く野球を観戦。 様々な野球を年間約50試合現地観戦し写真を撮影する。プロ野球12球団のファンクラブ全てに入会してみたり、発売されている選手名鑑を全て購入してみたりと幅広く活動中。
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