単なるワガママか奴隷解放か?清水富美加の”出家騒動”の是非

デイリーニュースオンライン / 2017年2月25日 12時2分

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 連日、大きく報道されている女優・清水富美加(22)の出家騒動。芸能界のあちこちからドタキャン連発などへの批判が噴出(注1)しているが、対抗する清水富美加サイドは争点を一つに絞ってきた模様だ。

“芸能界で事務所がタレントと結ぶ契約は、奴隷契約と呼ぶべきもの。大した報酬もなく、意に染まない仕事をさせられる点が問題だ”

 ……これに尽きる。「月収が5万円」「性的対象として水着DVDに出演を強要される」「人肉を食べる役をやらせられた」といった細かな不満や批判の背景として、一般社会で問題視されている労働問題(注2)になぞらえた。芸能界そのものをブラック企業(業界)とみなすことで、世論の支持を得ようとしたワケだ。

 折しも『仮面ライダー響鬼』(テレビ朝日系)や大河ドラマへの出演で知られる俳優・細川茂樹(45)が、昨年末に契約解除(注3)された所属事務所と法廷闘争を展開。いったんは契約解除の無効を勝ち取ったニュースも入ってきた。

「(清水も含めて芸能人と事務所のトラブルをふまえ)契約関係の見直しと言いますか、あり方が問われている。(略)過渡期にあるのかな、という気がしますね」(フジテレビ『みんなのニュース』での、やくみつる)

 考えてみればSMAPの解散も、タレントと事務所間の抗争の結果と言える。このままだと芸能界という日本有数のブラック業界に対して、一般社会からの総攻撃が始まりそうな雰囲気だ。

■芸能人の実力とは?

 もちろん不当な報酬で過酷な労働を強いたり、事務所の意に染まないからと解雇したあげく業界内に「使うな」と圧力をかけたり、問題が起これば子飼いのメディアを使って情報操作をしたり──は芸能界では日常茶飯事の事例だが、良いはずは無い。少しでも是正できる部分は是正すべきだろう。

 とはいえ<芸能人はどうやって売れるのか?>と考えてみると、そう単純で無いことにも気付く。芸能人とは基本的には芸能を売る人のはずだが、たとえば歌唱力や演技力に優れたタレントが必ず売れるかといえば、そんなことは無い。

 好素材を見つけてレッスンし、事務所がこれまで積み上げた義理や<貸し>をも使って売り込み、プロデューサーや演出家の嗜好や<借り>とマッチして起用される。何十回も何十人も、これを繰り返して売れっ子が生まれる。この間に不当労働やセクハラ、パワハラの類が頻発し、ほとんどのタレントが消えていくのだが。

 つまりプロ野球選手のように明確な数字が出せない芸能人の実力とは、こうした芸能界のパワーバランスの中で生き残る力だ。清水富美加も認めていたが、大手系列のレプロエンタテインメント所属ゆえに短期間で知名度を上げることができた。芸能界はブラック業界に違いないが、事務所とモメてニュースになるレベルの芸能人に関しては、<被害者>ではなく<共犯者>だということ。

「芸能界(注4)のシステムなくして芸能人は成り立たないが、SNS時代には一般の感覚で裁かれるように……。松方弘樹さんが亡くなったときに“女好きな昭和の豪傑”という賛辞もあれば、ネットなどでは“(歴代の)奥さんと子供がかわいそう”という一般人扱いの意見も多かった」(スポーツ紙芸能担当)

 蓮の花は泥中に咲く。時代の要請が<汚い泥を取り除け>というのならば、それも良し。ただ花も咲かなくなるだけだ。

(注1) 批判する声…和田アキ子(66)がまたトンチンカンなことを偉そうに言って炎上した。
(注2) 労働問題…過労から自殺に追い込まれた電通の女子社員のケースが、大問題となったのは記憶に新しい。
(注3) 契約解除 …事務所側は、マネージャーやスタッフに対する細川の暴言、パワハラがあったと主張。
(注4) 芸能界…文中の芸能界は、いわゆるテレビ、映画の芸能界を指す。古典芸能や民俗芸能のことでは無い。

著者プロフィール


コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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