中国は韓国を軽視?THAAD配置から読み解く”中国の対韓感情”

デイリーニュースオンライン / 2017年3月18日 15時0分

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 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 2017年3月現在、韓国政府が「THAAD」(終末高高度防衛ミサイル)の配置を決定したことを受け、デモの発生、韓国製品の不買運動など中国各地で反韓運動が巻き起こっています。

■国内外から批判される韓国のTHAAD配置

 中国側が韓国に対し批判的な姿勢を見せている理由は、THAADが中国の核ミサイルに対する抑止力になるためです。そのため中共政府はやっきになって国内の反韓運動を鼓舞しています。さらに韓国国内には親北朝鮮派が多く、もともとは北朝鮮に対する対抗措置であるTHAADの設置に反対する世論も重なり、韓国側は中国に明確な抗議姿勢を示すことができません。

 中国の反韓運動はエスカレートする一方です。THAADが設置される予定の場所は韓国・ロッテ社が所有するゴルフ場ですが、「韓国製ボイコット」というスローガンとともに、ロッテ社の製品不買が呼びかけられています。とある中国のスーパーは、ロッテ社の商品を撤去したことを誇らしげにうたいあげ歪んだ愛国心をアピールしていました。

 中国ロッテ社のインターネットサイトはハッカーの工作により閲覧不可能となり、ロッテ社直営店の前では大勢の人々が集まり、踊ったり「ロッテは中国から出て行け!」という垂れ幕を掲げてデモ活動を繰り広げています。

 被害を受けているのはロッテ社だけではありません。江蘇省の啓東市では韓国・現代社製の自動車が、運転手が中国人にもかかわらず襲撃された様子がネット上にアップされました。北京市のとあるレストランは「韓国人立ち入り禁止」という垂れ幕を掲げています。

 まさに国をあげての反韓運動ですが、一連の流れを見て2012年に発生した尖閣諸島問題をめぐる反日デモを連想した方も多いでしょう。その通りデモが発生する以前に現場に警察が配置されるなど、今回の運動も反日デモと同じく中共政府が作為的に仕掛けたものです。

 ただ、反日デモは五毛党(中共政府に賛同する意見を書き込むネットユーザー)が水面下で呼びかけていたのに対し、今回の反韓運動の場合、中国共産主義青年団がオフィシャルサイトで韓国製品ボイコットを訴えかかるなど、中共政府は自身が首謀者であることをあからさまに公表しています。

 その理由は、日本より韓国の方が経済規模が小さいため仮に絶縁状態になっても中国には大きなダメージがないためだと思います。逆に韓国側は経済活動を外需に依存しているため、重要な輸出先である中国との関係悪化は大問題となります。現在の韓国は「俎板之肉」(まな板の上の肉、相手に全てを握られている状態)という中国のことわざ通りの状態です。

 現在の韓国では、反日デモ発生時に日本が譲歩したような態度を取らなかったにもかかわらず、現在の日本には中国人観光客が多く訪れていることを受け、「日本に学べ」という世論がわきあがっています。しかし、中国人たちが日本に訪れるのは観光施設やショッピング、質の高いサービスなど素晴らしい面が数多く存在するためです。さらに昔から中国国内で高い評価を得ている日本企業も多く、絶縁の可能性があるにもかかわらず韓国を攻撃し続けるのは、大多数の中国人にとって韓国は日本ほど魅力のある国ではないからです。

 中国の反韓運動は「弱いものいじめ」と言い表せない卑劣な行為です。しかし、いじめられっ子が努力し実力を身につければ、いじめはやがて解消します。今後の韓国が魅力的な文化や技術を形成していけば、中国の反韓運動に対抗する有効な手段になるでしょう。

著者プロフィール


漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の33歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。新刊書籍『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)が発売中。

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