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「もうダメだ。打つ手がない」食糧難の北朝鮮、幹部会で絶望の声

デイリーNKジャパン / 2021年7月16日 6時32分

台風9号の復旧対策が話し合われた党政務局拡大会議(2020年9月6日付朝鮮中央通信)

昨年1月から続くコロナ鎖国の影響で、食糧不足の深刻化が伝えられている北朝鮮。

金正恩総書記は、先月開かれた朝鮮労働党中央委員会第8期第3回総会の場で、「人民の食糧状況が緊張している」と述べ、食糧難を公式に認めた。また、慈江道(チャガンド)江界(カンゲ)市の幹部は、金正恩氏が、戦時予備物資が備蓄されている2号倉庫を開き、全国の住民に食糧を供給せよとの特別命令書を下したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に答えている。

(参考記事:北朝鮮「陸の孤島」で響き渡る悲鳴…飢えた市民の禁断の行為

食糧不足は、東海岸の咸鏡北道(ハムギョンブクト)でも同様だが、その解決に乗り出した朝鮮労働党咸鏡北道委員会の幹部は、「打つ手がなく、ハナから頭を抱えている」と、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えている。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

党委員会は先月28日、トップの責任書記が主管し、コメ価格の上昇で住民が食糧難に苦しんでいることに対する対策を討議するため、非常拡大会議を開いた。

平壌からやって来た党中央委員会や内閣の幹部4人、地方の党幹部、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の第9軍団の団長、政治委員、道人民委員会(道庁)、道保衛局(秘密警察)、安全部(県警本部)、検察所など、主要幹部が一堂に会して行われたこの会議では、直面した食糧危機の克服が優先課題として強調され、絶糧世帯(食糧が底をついた世帯)の解消、人民生活の安定をいかにして図るかが議論された。

(参考記事:「国家存亡に関わる」金正恩が招いた”絶糧状態”という本物の危機

情報筋によると、打開策として示されたのは、「住民への食糧供給過程で毎日出庫する食糧の量と、残りの量を随時報告する取り組みを体系化すること、すべての機関がひとつになって動き、住民に対する食糧配給を絶対的、無条件的事業として行うこと」というものだった。

また、市場でのコメ価格を掌握し、価格安定のためにコメを持っている商人を説得し、従わない場合には無慈悲に処罰せよという内容も含まれていた。

当局は穀物価格の安定化のため、市場での穀物販売を禁じ、国家食糧販売所での販売に一本化する方針を示し、実際にオープンにこぎつけた。しかし今回、コメ商人に対して処罰をちらつかせながらコメ価格を引き下げるという強硬策が示されたことは、当局の政策がうまく行っていないことを窺わせる。

(参考記事:金正恩氏の肝いり「国営米屋」、オープン直後から経営難航

さらに、道民に一人残らず食糧を配給するまで、責任書記はすべての責任を負い、住民への食糧供給事業を掌握、執行し、さらには党中央委員会も責任を負うことも言及された。

机上の空論と商人への脅迫に終止した今回の会議。参加した幹部のほとんどは「国の米びつはもちろん、(軍向けの)軍糧米すらも底をついたのに、一体どのような手を使って、住民に食糧を与えるのか。もはや打つ手がない」とため息をついていたとのことだ。

咸鏡北道を含めた全国で「軍糧米を配給に回す」との話が出ているが、実際に配給されたという話は出ていないと伝えられている。

(参考記事:「我が国経済は完全に麻痺した」金正恩宣言に国民が絶望

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