偉人版しくじり先生!? 野口英世が語る、3度もノミネートされながらノーベル賞を受賞できなかった理由

ダ・ヴィンチニュース / 2016年4月1日 6時30分

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『退屈な日常を変える偉人教室』(五百田達成/文響社)

 偉人が偉人であるゆえんは、その人の生き方に学ぶべき点があるから。そのため、偉人伝を読むとき、成功した部分ばかりを注目して読む人が多いのではないだろうか? もちろん、成功するためのコツをつかむためにはどうやって成功したかを知ることは大事だ。しかし、自分の生活に活かす形で偉人たちの生涯を見て学ぶなら、問題解決の手法をしっかり見た方がよいだろう。そこで、トラブルを前に偉人たちはどのように考え、どのような行動をとったかという点を偉人自らが語ってくれる「偉人版しくじり先生」のような本『退屈な日常を変える偉人教室』(五百田達成/文響社)を紹介したい。
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偉人自らが語るのは単なる武勇伝ではない!

 この本は、偉人自らが自分自身の生涯について語るというスタイルで書かれている。そのためタイトルが『偉人教室』なのだ。まるで有名人が自分の人生について語る人気テレビ番組のような作りであるため、難しい本は苦手というような人でも気軽に読むことができる。既に死んでいる偉人たちが授業をしてくれるせいで、ところどころ「私はこうして死んだのだが」とか「私の死後、こうなったのだが」などという場面が出てくるが、それはそれでご愛嬌だろう。

 偉人が自分のよい部分について、こうしたからうまくいったのだと教えてくれるものもあるが、読んでみてためになるのは、まさに「偉人版しくじり先生」のごとく、偉人が自分の人生を反省しながら話す内容。「ここでこうしておけば失敗せずに済んだはずだから、あなたは気を付けて」などと話すのもおもしろい部分だ。

偉人も人の子? 野口英世の意外なダメっぷりに唖然

 数々の偉人の授業の中でも衝撃的なのは野口英世の話だった。野口英世は、自分がノーベル賞に3度もノミネートされながら受賞できなかった理由を、お金にルーズで、情けをかけてくれた人の気持ちを裏切り続けてきたためだと語っていた。留学のために援助してもらったお金を、留学前に飲み代として使ってしまったり、援助を引き出すために結婚する気もないのに婚約したりと、これまでの野口英世像がガラガラッと音を立てて崩れそうな話も語られている。そして、「野口に賞を取らせてやろう」と周りの人が動いてくれるくらいの人間関係を築けなかったことを悔やんでいた。自分だけがスポットライトを浴びる人生を考えるよりも、自分にスポットライトを当ててくれるサポーターを増やせるような生き方をしてほしいと語りかけるのが、この本の中で一番のしくじり先生の言葉として響いた。

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