大人気小説『真夜中のパン屋さん』が滝沢秀明主演で実写ドラマ化!

ダ・ヴィンチニュース / 2013年4月16日 11時30分

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『真夜中のパン屋さん』(大沼紀子/ポプラ社)

 通称「まよパン」こと『真夜中のパン屋さん』のドラマ版がオンエア間近だ。午後11時から午前5時まで開店している不思議なパン屋「ブランジェリークレバヤシ」を舞台にした原作は、現在シリーズ3巻まで刊行されていて、累計90万部のベストセラーとなっている。

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 『ダ・ヴィンチ』4月号ではこの飛ぶように売れている文庫シリーズを中心に、キーワード別に“真夜中”文庫を紹介している。

 ヒットの裏側について、版元であるポプラ社担当編集者の小泉直子さんはこう分析する。

「タイトルも含めて一見、ほのぼのとした軽い物語のように思えるのに、読むとへヴィなテーマがきちんと描かれている。そのギャップなのだと思います。ユニークなキャラクターたちによって、重みのあるテーマもすとんと心に入ってくるところが読者に受け入れられているのだと考えます。全国の書店員さんからの応援もヒットの裏側には欠かせません」

 真夜中とパン屋さん。この取り合わせは一見珍しい。登場する人物も一癖も二癖もある人ばかり。そんな物語をどうしてドラマ化しようと思ったのか、企画・演出を手がけるNHKのディレクター大原拓さんはこのように答える。

「たまたま書店で“真夜中”というタイトルに目が留まり、興味をひかれたのがきっかけでした。ドラマ化したいと思った理由は、まず登場人物のキャラクターがとても個性的で一風変わっており、店に集う客とのやりとりに面白さがあったこと。次に物語と人物、舞台の3つの要素が巧妙に絡み合う中で、温もりや優しさを感じられたこと。そして、誰でも知っている“パン”という素材が設定されていることからでした」

 真夜中だけを舞台にした物語展開ではなく、昼は昼でさまざまな事件が登場人物たちを翻弄する。真夜中のパン屋さんは人生相談や人助けの場ではないのに、なぜかトラブルが絶えない。みんな、困っている人に手を差し出してしまう優しい性格の持ち主なのだ。だからこそ、夜は親密さに満ちあふれている。

 また、同記事ではマンガの「真夜中モノ」についても分析している。
真夜中と「食」の取り合わせはマンガでも相性がいい。まずは『西洋骨董洋菓子店』。午前2時半まで営業するケーキ専門店が舞台で、個性豊かな面々が店にいる。常連客もユニークな人物ばかりで、天才的な才能を持つゲイのパティシエ裕介のケーキの虜になっている。

 安倍夜郎の『深夜食堂』(未文庫化)も捨てがたい。営業時間は深夜0時から朝の7時までの定食屋が舞台。メニューは豚汁定食だけで、客が食べたいものを勝手に注文すれば、作れるものは提供するという変わり種の店だ。常連客のほうも素性に一癖二癖あり、注文品にこだわりの意図がある。

 いずれも登場人物たちの心の何かが欠けているとき、何かを満たそうとすると「食」に行き着くのが印象的。そして夜に小腹が空いたとき、こんな店があればなぁ……と思わせるところも重要。真夜中に灯りを点す店は心も癒やす場所なのだ。

取材・文=増渕俊之
(『ダ・ヴィンチ』5月号「文庫ダ・ヴィンチ」より)

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