20万部突破! 男女両視点マンガ『喰う寝るふたり 住むふたり』が人気

ダ・ヴィンチニュース / 2013年4月25日 11時50分

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『喰う寝るふたり 住むふたり』(日暮キノコ/徳間書店)

 交際10年、同棲8年目のカップルの「普通の日常」を描いた『喰う寝るふたり 住むふたり』が、読者の共感を呼んで話題となっている。青年誌連載だが、口コミが多くの女性読者をひきつけ、コミックス1巻は売り切れ店続出。累計部数は20万部を超え、作者・日暮キノコさんを驚かせた。「てっきり一部の人に受けるマイノリティな恋愛模様だと思っていたら、“あるある!”の声がたくさんで。男性も女性も共感してくれたのはうれしいです」

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 男女共に支持される大きな理由は、ひとつのエピソードが、カップルのリツコとのんちゃん、双方からの視点で描かれた2話で構成されていることだろう。

「同棲モノというアイデアはかなり前からあったんですが、男女両方の視点から、という構成はネーム段階で生まれました。同じ号に2話描くことになるので、慣れるまで大変でしたが、二人が別行動をとるなどパターンを広げて、これならいろいろできるなと」

 こと恋愛において、男女の考え方やこだわりには微妙なズレが生じるもの。この作品は男女の視点を分けることでそのズレを明らかにし、悩みも喜びも浮き彫りにしているところが絶妙だ。たとえば多忙なリツコのためにのんちゃんが料理を作るエピソードでは、「俺流料理に悦に入る男」と「乱雑な料理にイライラする女」という対比がリアル。そして同時に、ふたりが一緒に食事することをいかに大切に思っているかも描かれる。読者は時に身につまされながらも相手の本音を知り、相互理解のような共感を得るのだ。

「長く続く友達色の強いカップルは、ラブラブな感じというよりも、はしゃぐツボが同じだとか、親友みたいなところがあると思うんです。あえて取材してネタ探しするというより、日常生活でそういう男女のツボや、逆に違いを感じたりしたときにストックしています。ストーリーはもちろんフィクションですが、現実で見つけた小ネタがいくつも入ってるので、共感していただけるのかもしれません」

 ちなみに日暮さんのデビューは7年ほど前の少女誌。それまで独学でマンガを描いてきたが、デビューを機に多数のマンガ家のアシスタントをこなして腕を磨いてきた。

「アシスタントさんへの指示の出し方とか、とにかく知らないことだらけで、あの経験があって今があります。背景の描き方やコマにいれる情報量など、プロの原稿から学ぶことは大きかったし、いろいろな先生のところに行けたのもよかった。最近、全く世界が違う高校生男子を主人公にした連載(『モンクロチョウ』)を始めましたが、どちらも私。今後もいろいろ描ける作家を目指したいです」

 さて、いよいよ待望の第2巻が登場した『喰う寝る~』だが、セックスレスですれ違ったり、小さな甥と姪に子づくりを意識させられたり、同棲カップルにはシビアな諸問題が次々勃発。ちょっとドキドキさせられつつも、読後にはほんわかと温かな気持ちが胸に広がる。「読んでよかったと思える作品にしたいんです。波乱たっぷりの恋愛マンガも面白いですが、この作品はあくまで日常の面白さ、そして幸福感を描きたいと思っています」

取材・文=荒井理恵
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

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