カネボウだけじゃない? ホントは恐ろしい美白ブーム

ダ・ヴィンチニュース / 2013年8月9日 12時10分

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『女性誌にはゼッタイ書けないコスメの常識』(岩本麻奈/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 カネボウの美白化粧品のニュースが世間を騒がせている。「きれいになりたい」と願った使用者の肌が、まだらに白くなる「白班」という恐ろしい症状に見舞われる事態が相次いだのだ。

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 「肌にいいもの」として信じられている美白コスメだが、カネボウ以外の商品にも実は危ないものが世間にはあふれかえっているのだという。

 『女性誌にはゼッタイ書けないコスメの常識』(岩本麻奈/ディスカヴァー・トゥエンティワン)によると、そもそもコスメ業界の言う「美白」とは、「これ以上、肌が濃くならないようにする」という予防程度で、美白をうたう化粧品を使ったからといって決して肌が白くなる訳ではないらしい。しかも「美白効果はビタミンCの何百倍」などと宣伝されているが、自社モニターを使ったアンケートでしか効果を測定していない。フランスではコスメ商品の効果をはかる認定機関があるが、日本には公平性の高い仕組みがないのだそう。

 実際、『夢と欲望のコスメ戦争』(三田村蕗子/新潮社)によると、国民生活センターが1996年に実施した、紫外線ケアをうたう化粧品の効果を測定したテスト結果では、大手6社の13商品のなかで実際に紫外線防止効果があったのは、たったの1点。それでも市場には、これほどまでに商品が出まわっているのだ。

 では、どうして美白コスメはこんなにも商品展開されているのか。『夢と欲望のコスメ戦争』から美白コスメの歴史を紐解くと、もともとは90年代に資生堂から発売された、シミ・ソバカスを防ぐ美容液「ホワイティアエッセンス」が爆発的なヒットを記録したことから始まる。ちょうどメディアが紫外線の肌の影響に注目し始めた時期でもあり、後続のカネボウ、コーセー、花王など大手もこぞって「ホワイト」「ホワイトニング」「ホワイティ」と美白を連想させる類似コスメを次々と発売。一気に“美白”という謳い文句は消費者の間の常識になったようだ。

 もちろん、これは美白コスメに限った話ではない。マックスファクターがピンクの口紅をヒットさせれば、翌年にはピンクの口紅だらけに。マスカラなら「ボリュームアップ」に「セパレート」、「ウォータープルーフ」といった具合に機能や目的を細分化し、商品が無数に生み出される。他社に少しでも差をつけようと、まさに群雄割拠、コスメ業界はいつだって戦国時代といったところ。そして、人気女優を巧みに起用し、テレビや女性誌に大量の広告を投入、消費者の「美しくなりたい」という心を煽る――。そんな苛烈な競争の結果が、今回のように被害者を4000人以上も生み出してしまった背景のひとつではないだろうか。

 ちなみに、今回問題になったカネボウのCMキャラクターは知花くららと藤原紀香。美しい女優がいくら紹介したって、決して美しくなれるという訳ではないのだが……。華やかに宣伝されるコスメも、その裏では恐ろしい実態が見え隠れ。いま自分が使っているコスメが本当に安全か、心配になってくるような話である。


(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

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