今度は1500億! ドラマでは描かれない「半沢直樹」のその後

ダ・ヴィンチニュース / 2013年9月1日 7時20分

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『ロスジェネの逆襲』(池井戸潤/ダイヤモンド社)

 早速ですが、『ロスジェネの逆襲』(池井戸潤/ダイヤモンド社)のあらすじを説明しようとすると、いきなり前作のネタバレになります。まだ『オレたち花のバブル組』を読んでいない人はこのレビューを読まないでください。または、アメドラのDVDパッケージ用解説程度のものとご理解ください。

『ロスジェネの逆襲』のもっと詳しい内容はこちら

 長いものに巻かれない言動から行内に敵を作りすぎてしまった半沢は、東京産業銀行傘下の東京セントラル証券に出向になりますが、本作では1500億円の企業買収を任されます。シリーズ第1作が5億、2作目で120億、今度は…ってことで案件のインフレ率さらに上昇。ハードルは上がる一方です。ここでも銀行からの出向組と普通入社のプロパー社員が反目し合っていたり、半沢以外の出向組はてんで使えない奴ばかりだったりと、案件以外の障害も多い。そんな状況下であるのに、案件を古巣の東京産業銀行に横取りされたことから、逆に買収対象に接近して買収防衛を買って出ます。またも銀行との戦いに。

 半沢節は健在で「待ってました!」という感じではありますが、本作の読みどころは、バブル崩壊後に大学を卒業したいわゆるロストジェネレーション世代が関わってくるところです。就職氷河期になんとか入社したものの給料は上がらないし、仕事に熱中したくとも、バブル入社組が水を差してきたりしてモチベーションが上がらぬことといったらない。そんな環境で既得権益層=バブル世代と、敵愾心を燃やしていた青年ビジネスマン・森山が、バブル世代でもある半沢が銀行や上司相手にも闘う様子を見て、どんどん変わっていく。半沢から森山への台詞は名言に次ぐ名言。ダイヤモンド社から出ているだけのことはあり、自己啓発書の読者にも深く頷かれそう。これまでなかった人物相関図が巻頭に付されているのもポイント高いです。とにかくスッキリしたい人には絶対のオススメ!

文=遠藤京子
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

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