おじいちゃんブームが来る!? 三浦しをん、オノ・ナツメの描く“おじいちゃん”が萌える!

ダ・ヴィンチニュース / 2013年9月13日 11時40分

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『GBパーク』(オノ・ナツメ/竹書房)

 『リストランテ・パラディーゾ』(太田出版)をはじめ、『クマとインテリ』(basso/茜新社)や『つらつらわらじ』(講談社)など、枯れ専作家と呼びたくなるほど魅力的なおじさまがたを描いてきたオノ・ナツメ。さらに、本屋大賞を受賞した『舟を編む』(光文社)の、定年間近の編集者や日本語研究にすべてを捧げる老学者をはじめ、脇を固める知的で渋い中年男子キャラも印象的な、三浦しをん。そんな魅力的なおじさんを描いてきた彼女たちが、なんと今度はおじさんどころかもっと年を重ねたおじいさんを描いているなのだ。

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 7月30日に発売されたオノ・ナツメの『GBパーク』(竹書房)は、公園を舞台にゲートボールをする人たちが描かれている。保育園児から女子大生、おじさんおばさんと幅広い世代の人々が集まってゲートボールをするのだが、当然、孫もいるようなおじいさんたちがたくさん登場するのだ。ゲートボール歴15年で、保育園に通う孫と一緒にゲートボールに参加している瀬田さん。彼は、普段はのんびりおっとりしているけどゲートボールのことになると「昨日は惜しかった指示が多かったね」と年長者らしくアドバイスしてくれる。

 それとは逆に、普段無口な紳士に見える西さんは、大好きなクリスマスローズの花のことになると、子どものように目を輝かせて語りだす。甘いものが大好きな小栗さんも、悪さを隠す子どものように、持ってきたお菓子を隠したりするのだ。さらに、もっとベテランのおじいさんたちになると、50を超えたおじさん相手にも「子供の日だしのーガキどもの遊び相手になってやるか」と言って一緒にゲームをしてあげる。しかし、みんなヨボヨボ歩くし、「1番に寄せてー」などと指示を出されても「あぁ?」「なんだって?」と聞き返してくるので、なかなか進まずゲームにならない。なかには、勝手にベンチで休憩しているものも。でも、こんなマイペースさも可愛らしく見えてくるから不思議だ。

 一方、『政と源』(三浦しをん/集英社)の主人公は73歳の幼馴染おじいさんコンビ。つまみ簪の職人で、気の向くままに仕事をし、髪も赤やピンク、青に緑と次々に染め直すような源二郎。それとは対照的に、大学を卒業してからは定年まで銀行で働き、妻子もいる国政。この作品では、とにかくそんな2人の関係に萌えるのだ。

 定年を迎えたら妻に別居され、娘一家とも疎遠になった国政は、40代で妻を亡くしても自分を慕ってくれる弟子の徹平がいて、老後を満喫している源二郎が羨ましくてたまらない。しかし、その嫉妬はなぜか弟子の徹平に向かうのだ。源二郎に気に入られていて、将来も有望なハタチの徹平。彼がかいがいしく源二郎の世話を焼き、国政と源二郎が喧嘩をしたときも追いかけてきて「また遊びにきてください」などと声をかける姿を見ては、「新参者のくせに」と苛立つ。そんな国政の気持ちを知ってか知らずか、源二郎は喧嘩しても懲りずに国政のところに出向き、いろいろと気遣ってくれる。

 また、言葉にしなくても通じ合えるものをもった2人。たとえば、国政が元旦に自分で作ったチャーシューを「娘が送ってきてくれた手作りチャーシューがある」と言って持って行く。しかし、源二郎にはそれを見透かされていて、徹平とマミがいなくなると「おまえの作ったチャーシュー、うまかったぜ」とにやにやしながら言われてしまうのだ。逆に、国政も源二郎の顔を見ただけで何かあったのだと察し「それで、いったいなにをしでかしたんだ」と問いかける。こんなふうに、お互いに何も言わなくても分かり合えるほど連れ添った2人。この関係を見ても萌えないという腐女子はいないはず!

 もしかしたら、彼女たちのおじいちゃん好きが波及して、今後はBL界でも“おじいちゃんBL”なんてジャンルが登場してしまうかも?

文=小里樹
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

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