食べる女は美しい!食欲旺盛な安野モヨコ、夫・庵野秀明の偏食に困る?

ダ・ヴィンチニュース / 2013年10月31日 12時0分

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『くいいじ』(安野モヨコ/文藝春秋)

 食材はどれもみんなオシャレだ。人参やカボチャ、トマトのようなビビッドな色彩感覚も、シイタケやピーマン、ブロッコリーのようなアバンギャルドなフォルムも人間にはなかなか生み出せるものではない。こんな可愛らしい物達を食するのだから、食する私自身もチャーミングな女性でありたいものである。

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 『くいいじ』(文藝春秋)は大人気女性漫画家・安野モヨコの食べ物エッセイである。食べ物エッセイといっても、本書で描かれているのは、何が美味しいかだけでなく、作者の旺盛な食欲だ。安野は、オーガニックの食品や無農薬野菜を買うようには心掛けているが、コンビニのおにぎりは食べるし、ハンバーガーも大好物。昼ごはんを食べながら夕食のメニューを考えるほどの食いしん坊だ。食への考え方を知れば、その人自身が分かるということなのだろうか。読めば読む程、安野モヨコという女性の魅力にどんどん惹き込まれてしまう。

 小さい頃から彼女はかなり食いしん坊だったらしい。「おやつをくれろとうるさいのでキャベツを丸ごと与えたら、抱きついて延々とかじっていた」「伝い歩きができる様になった瞬間、戸棚のガラス戸の中に隠してあったみかんを発見して食べた」などの驚きのエピソードばかりだが、その食いしん坊っぷりは大人になってからでも顕在のようだ。

 居酒屋に行けば、刺身だけでなく、その「つま」まで気になってしまうし、〆切をすぎてしまっているのに編集者の目を盗んでディナーの予約もしてしまう。夫でアニメーターの庵野秀明は肉や魚が嫌いなので、夫の食事に合わせるのは食材が制限されてさぞかし大変なのだろうと思いきや、精進料理にも魅力を見いだして、羨ましがったりする。食べ過ぎで太ってくれば、おいしいものを存分に食べるため、絶食ダイエットや鍼灸にも挑戦するなど、安野モヨコの食欲は留まることを知らない。

 だが、些細なこだわりや食への探究心に作者自身の微笑ましい人柄が垣間見える。人の食べるもの全てが気になってうどん屋さんで上手く注文できなかったり、趣味の着物を着てきてしまったためにたらふく食べることができずに悔しい思いをしていたり、彼女のちょっとした失敗すらも、なんだか全て可愛らしい。簡単レシピやお気に入りの調味料、器が紹介されているのも嬉しいので、食通だけでなく、全ての女性に読んで欲しい1冊だ。

文=アサトー ミナミ/ダ・ヴィンチ電子ナビ

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