なぜ、日本の看板には丸ゴシックが多いのか?

ダ・ヴィンチニュース / 2013年11月17日 11時20分

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『まちモジ 日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?』(小林章/グラフィック社)

 街には看板があふれている。店名、広告、案内板、道路標識、etc……そんな多くの看板に使われている文字のフォント(書体)を気にしたことがあるだろうか?

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 例えば、道路のそこかしこにある「止まれ」の赤い逆三角形の標識。「止まれ」の文字に使われているフォントは「丸ゴシック」。文字に丸みがある、親しみやすい書体だ。他の看板はどうなんだろうと目を向けると、驚くほど「丸ゴシック」が多いことに気がつく。

 「え、なんでだろう?」と疑問を抱いたのは、『まちモジ 日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?』(グラフィック社)の著者にして、書体デザイナーの小林章さんだ。

 きっかけは、最近、欧米では丸ゴシック体が流行している、ということだった。欧米では1979年に「VAG Rounded」という丸ゴシックの開発以降、ほとんど丸ゴシックがなく、最近になってその種類が増えて来たという。

 ドイツ在住の小林さんは、ヨーロッパでどのくらい丸ゴシックが使われているのか気になり調べることにした。「機能性が優先されて、趣味などの入り込む余地が少ないから」と、調査対象に選んだのは「道路標識」。

 日本の「止まれ」と同意の道路標識「STOP」の看板を見ると──赤地に白いフチどりと白いSTOPの文字。ここまでは日本と同じ。しかし、形は逆3角形ではなく8角形。気になるフォントはサンセリフ体──角ゴシック。

 小林さんは“STOP探しの旅”に出る。

 ドイツ、ルクセンブルク、ベルギー、フランス、オランダ、イギリス。どの国でも、基本は八角形の看板で、赤字に白文字の「STOP」。形の違いはあれど、すべてが「角ゴシック体」だった。

 そして日本に渡る小林さん。

 「止まれ」はもちろん、交差点の案内標識、山手線の高架に書かれた「○○駅」、電車内のガラスに書かれた「乗務員室」、「交番」「税務署」「○○市役所」「○×銀行」……どれも丸ゴシック。公的で厳格なイメージの場所で丸ゴシックが使われていることから、小林さんはひとつの仮説を立てる。

(仮説1)角を丸くして親しみやすい効果を狙っている?

 しかし……「非常電話」「火気厳禁」「危険 高電圧電線」「あぶないからはいってはいけません!」──“親しみやすい”よりもむしろ“警戒すべき”ことまで丸ゴシックな日本。救急車や消防車(1950年代の車両にも)、はたまた「マル秘」のスタンプにも丸ゴシックが使われていることが発覚。そこで小林さんはまた考える。

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