え? 再利用? 性転換手術の驚きの方法とは

ダ・ヴィンチニュース / 2013年11月19日 18時30分

 テレビの世界では、益々「おネェ系」が増加しているが、SNSで久々に見つけた高校時代の男友達が女性になっていた! なんてこともこれからは珍しいことではなくなるのだろう。奇しくも私はそんな経験をした一人だ。彼(彼女?) はずっと性同一性障害に悩んでいたらしく、大学入学後、性転換手術を受け、戸籍上でも女性に生まれ変わっていた。どれほどの深く悩み、手術を決断したのだろうかと思うと胸が痛くなるが、改めて考えてみると、性転換手術とはどのような手術なのか全く知らない自分に気づかされる。性転換手術とは一体どれくらいの価格や時間が掛かるものなのだろうか。

関連情報を含む記事はこちら

 ブログ「オカマだけど、OLやってます。」で名高い、能町みね子著『トロピカル性転換ツアー』(文春文庫、12/4発売)には、能町が男性から女性への手術をタイで行った際の体験談が明るく描き出されている。人間の一番大事な部分を手術するわけだから大変な費用と時間が掛かるのだろうと思いがちだが、能町によれば、一般的には入院期間は2週間。退院後は1週間程度現地に留まらなくてはならないが、軽い観光も可能だという。本書では触れられていないが、手術を受けるためには性同一性障害の診断書が必要なため別途費用は掛かるが、手術自体は一般的に保険適用外で日本だと130万円、タイだと60万円程と、意外と安いらしい。能町は、タイで手術することを決める。タイに渡ると、空港には病院の運転手が出迎えてくれ、普通のホテルに一泊した後、翌朝また車で迎えに来てもらって入院したのだという。

 能町曰く、性転換手術では元々ある男性器を「リサイクル」する。一般的に行われる性転換手術は「反転法」と呼ばれるが、男性器の中身の海綿体と呼ばれるスポンジ部分を全部かき出して皮膚をひっくり返し、股に穴を掘り、そこに男性器の皮を上手く貼り付けて女性器のような形にするらしい。血栓症を防止するために、女性ホルモン注射を1カ月間止めて手術にのぞむそうだ。…うう…想像しただけで何とも痛そうな手術である…。能町によれば、今の技術では子宮は作ることは出来ないため、子どもを生むことは出来ないが、この手術で性的な感覚は保つことが出来るというのだから驚きだ。
 
 性転換手術はそれほどハードな手術ではないようだが、持病を持っていた能町にとっては、予想外の連続だったらしい。手術後に失神したり、幻覚や便秘に苦しめられたりなど、3週間のタイでの生活は多難の連続だったという。だが、能町が入院した病院では、外人はVIP待遇なのか、日本だと絶対入院できないような広い個室に入院できた上、テレビは海外向けのNHK放送が映る。おまけに、同時期に4人も日本人が入院していたため、異国とはいえ、それほど強い不安に襲われることはなかったようだ。能町が入院した病院では、同じ国の人の入院を同時期にするという方針だったようで、能町も他の患者と交流しながらどうにか入院生活を乗り切ったらしい。

 だが、退院後もすぐに日常生活に戻れるというわけではない。ピアスの穴と同様に、身体に開けた穴は放っておくと塞がってしまう。だから、手術後6カ月間は、患者は「ダイレーター」という棒を1日に3回1時間ずつ身体に入れることを習慣としなくてはならない。しかし、このような手術を乗り越えることが出来れば、戸籍上でも女性となることが出来る。ホルモン注射にも保険が下りるようになる。手術が終わった時はもちろんだが、戸籍で女性となれた時、能町はより深い喜びを感じたのだという。
 
 一説によれば、日本国内における性同一性障害者は4万6000人とも言われている。能町はこれまでの生活をあっけらかんと語ってきているが、一方でつらい日々を送っている人たちも少なくないはずだ。彼女達がもっと彼女らしく生活出来る環境が日本でも整うことを願うばかりである。

文=アサトーミナミ

ダ・ヴィンチニュース

トピックスRSS

ランキング