クリスマス難民にオススメ! マンガ『30才、処女なのにエロ漫画描いてます。』

ダ・ヴィンチニュース / 2013年12月2日 11時40分

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『30才、処女なのにエロ漫画描いてます。』(森田ゆき/ KADOKAWA/メディアファクトリー)

 お笑い芸人が、処女や童貞をネタにして笑いをとるのは、そんなに目新しいことではないけれど。でも本作は、対象をいじって笑いをとるというテンプレではないし、伊集院光が楽しむみたいに「あの頃は、それはそれでおもしろかった」というような共同幻想で盛り上がるのとも違う。マンガ『30才、処女なのにエロ漫画描いてます。』(森田ゆき/ KADOKAWA/メディアファクトリー)は、現在進行形で進む処女ライフを、かっこつけず、包み隠さず、半生を振り返る形で書き綴っているのです。

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 10代を、これといって思い出もないまま過ごしてしまったことを後悔はするし、20代であまりに異性と縁がなかったために悶絶していた日々も紹介していますが、そこに不幸自慢のうっとうしさはありません。「不幸だー!」と声高に叫ぶ代わりに、「なぜこうなったのだろう?」と、エピソードを紹介しつつ考察します。これは効きますね。絵柄は軽いのですが、話は深く共感できるものばかりです。途中、最後のページに「なーんちゃって」と書いてあったらどんなにいいだろう、「全部ネタでした」と締めくくってくれた方がいい。と本気で思いました。

 あらたまいさんの『巴マミの平凡な日常』でも感じたことですが、生涯未婚率が3割を超える予想が出される昨今ですから。こういう独り者を題材にした作品はネタというより、ひとつのジャンルとしてありじゃないでしょうか。

 以前から伊藤理佐さん(伊藤さんはご結婚されましたが…)の『やっちまったよ一戸建て!!』みたいな“おひとりさまエッセイ”や、中島みゆきの世界みたいに孤独そのものがテーマというのはあります。森田さんの開き直るのでもなく、すねるのでもなく、淡々と無縁を分析する本作品も、処女なのにエロ漫画かいている、というネタだけに注目するより、“おひとりさまエッセイ漫画”として読んだ方がより楽しめると思うのです。

文=松浦迅徹

ダ・ヴィンチニュース

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