伝説の編集者・寺崎央「日本で初めてリーバイス501を紹介した本を作った男」

ダ・ヴィンチニュース / 2013年12月25日 11時30分

写真

『史上最強の助っ人エディター/H・テラサキ傑作選』(寺央、テラ本制作委員会/マガジンハウス)

 『MEN’S CLUB』『平凡パンチ』『POPEYE』『BRUTUS』……誰もが一度は見聞きしたことのある数々の雑誌で、編集・記事・構成・イラスト等を手がけ、40年以上も若者文化に多大な影響を与え続けて来た伝説の男がいた。2012年にこの世を去った史上最強の助っ人エディター・寺崎央である。

関連情報を含む記事はこちら

 「カタログ文化」と呼ばれるほどに、モノの写真であふれる現代日本の雑誌。そのベースとなる『メイド・イン・USAカタログ』を寺崎氏が世に送り出したのは1975年のこと。

 1個のジッポライターを手に、「締まり具合がたまらなく精巧だ」「ネジとバネの具合がしっかりしている」などと、大人の男が2人、話し合っていたところから「メイド・イン・USA」というネタが生まれ、寺﨑氏にムック本の依頼が舞い込んだ。

 編集者・石川次郎氏(『トゥナイト2』司会者)、カメラマン・馬場佑介氏と共に、寺崎氏はアメリカに渡った。1ヵ月、ニューヨークから西へクルマを走らせ取材を敢行。30代初めの3人の東洋人が、アポなしでアメリカのショップに乗り込み、半ば強引に店内で写真を撮りまくる。今から40年前のアメリカにおいて、その光景は異様だったに違いない。

 そして刊行された『メイド・イン・USAカタログ1975』には、当時の日本では手に入らない品々が大量に掲載された。日本で初めてリーバイス501を紹介したのもこの本だ。このムック本は発売1週間で売り切れ、増刷。累計10万部の大ヒットとなった。

 さすがに当時のムック本を入手するのは困難だが、『史上最強の助っ人エディター/H・テラサキ傑作選』(寺央、テラ本制作委員会/マガジンハウス)にはその記事が数ページ分掲載されており、そのレイアウトやアイテム写真の見せ方、コピーのフレーズなど、40年経った今でも色褪せない魅力があふれている。

 というか、このムック本が今、ピカピカの状態で書店に並んでいたとして、それが40年前のモノだと気づく人はいないのではないか、と思えるほどにコンセプトが見事に体現され、完成されているのだ。だが、この『メイド・イン・USAカタログ1975』は寺﨑氏の代表作のひとつに過ぎない。

 22歳で婦人画報社に入社、『MENS’CLUB』編集部に配属され、そのキャリアをスタートさせた寺﨑氏は、26歳でフリーとなって『平凡パンチ』に参加する。

 「本能のままに、作りたいから作っちゃう」というスタンスで、次々と新しくて面白いモノを生み出して行く寺﨑氏。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
ダ・ヴィンチニュース

トピックスRSS

ランキング