金メダリストが教える、ソチ五輪「フィギュアスケート」観戦術

ダ・ヴィンチニュース / 2014年2月6日 11時50分

写真

『誰も語らなかった知って感じるフィギュアスケート観戦術』(荒川静香/朝日新聞出版)

 いよいよ2月7日、ロシアのソチで「第22回オリンピック冬季競技大会」が開催される。冬季オリンピックではスキー、スケート、アイスホッケー、ボブスレー、リュージュ、カーリング、バイアスロンの7競技、98種目が行われるが、中でも注目度が高い種目といえば「フィギュアスケート」だろう。試合後にエキシビションという純粋に観客を楽しませるプログラムが用意されていることなどからも、タイムや飛距離などを競う他の競技と一線を画しているといえよう。最近は日本人選手の活躍などもあり、テレビ中継も増えているので、楽しみにしている人も多いだろう。

関連情報を含む記事はこちら

 しかしフィギュアスケートを見ていて「たいしたことをしてないように見えたのに、なんでこんなに点数が出るんだろう?」「アクセルしかジャンプを見分けられない!」「どうして代わりのスケート靴を用意していないんだろう?」と思ったことはないだろうか? こうした少々目利きが必要なフィギュアスケートの観戦術を、2006年のトリノオリンピックの女子フィギュアスケート金メダリスト・荒川静香さんが『誰も語らなかった知って感じるフィギュアスケート観戦術』(朝日新聞出版)で解説している。

 本書では素人にはわかりづらいジャンプやスピンの種類はもちろん、なぜ加点されるのか、ジャンプの回転がどのくらい不足すると減点されるのかなど、採点に関することも丁寧に解説されている。また「はじかれる」「パサパサしている」などと選手が表現するというリンクの氷の状態や、足に合うスケート靴のチョイスの難しさ、控室での過ごし方、ソチオリンピックの注目選手のことまで、元選手ならではの視点で語られている。

 中でも興味深いのが、試合前の「6分間練習」だ。この練習では自分がジャンプをする場所を避け、本番で飛ぶ位置の反対側で練習しているという。もし同じ位置で練習してしまうと、自分がジャンプをするタイミングの場所に穴やトレース(氷の上の軌跡)ができて、本番でそこにハマってしまう恐れがあるからなんだそうだ。もともと氷上の決められた形をなぞるということから「フィギュア」と名付けられた競技は、今も寸分たがわぬ正確さで選手たちが氷上を滑走していることがわかるエピソードだろう。

 そしてオリンピックといって忘れてならないのが、観客や視聴者の応援だ。スポーツの現場では会場のムードで驚くような記録が出たりするものだが、その応援を語らせたら日本で……いや世界でも右に出るものがいないと思われるのが、元プロテニス選手の松岡修造だ。その応援についての持論を語っている『応援する力』(松岡修造/朝日新聞出版)によると、会場を端から端まで走って応援するなんていうのは修造にとっては序の口。なんとスキーのクロスカントリー競技では氷点下の中、半袖姿で選手と一緒に雪山を上り(動くと暑くなるので半袖なんだそうだ)、間近で「◯◯選手、ふんばれっ!」と応援、それこそが「応援の醍醐味」と語っている。これぞ筋金入りだ! こうした画面に見切れる修造を探す、というのもソチオリンピックの新しい楽しみ方かもしれない!?

 フィギュアスケートの日程は、男子シングルSPが13日(現地日時)、FSは14日、女子シングルSPが19日、FSは20日にアイスバーグ・スケーティング・パレスで行われるが、2012年に同会場で開催されたグランプリ・ファイナルでリンクを滑った選手からは「気温が高く、氷が溶けていた」「リンクの端がちょっと下がっている」など不満が出ていた。もしかしたら修造の熱~い応援でもっと溶けてしまう可能性もあるかもしれない (?) が、荒川さんは採点に気を取られず、フィギュアスケートを観戦するというのは感性を揺さぶられる貴重なチャンスなので、心から楽しんで欲しいと語っている。選手たちの活躍に期待しよう!

文=成田全(ナリタタモツ)

ダ・ヴィンチニュース

トピックスRSS

ランキング