ひとりの方が気楽、恋愛が面倒というアナタは、「回避性愛着障害」かもしれない!

ダ・ヴィンチニュース / 2014年2月12日 11時40分

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『回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち』(岡田尊司/光文社)

 期待するから裏切られる。傷つけられるのが怖い。人と親密になるのは面倒だし、ひとりの方が気楽だ。結婚、出産などもってのほか。責任や束縛は避けたいし、失敗は恐ろしい。現実よりも、ネットの世界にどっぷり浸かった方が楽しい…。そういう傾向の人も現代では決して少なくないだろう。

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 『回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち』(光文社)の中で岡田尊司氏は、「回避型愛着スタイル」を持つ者が急増していることを指摘している。「愛着スタイル」とは心理学の用語で、感情や行動に幅広く影響を及ぼす対人関係の傾向のことを示すらしい。親密な関係や情緒的なつながりを避ける傾向にあるものが「回避型愛着スタイル」と呼ばれるが、現代では、消極的な人生を歩んでいる人だけでなく、一見、社交的で、人生をエンジョイしている人や、社会で活躍している人にも幅広くこの傾向が見受けられるようだ。多くの人がひとりで過ごす時間を削ってまで、他人と深い関わりをもちたいとは思わなくなっている。

 他者への関わり方の傾向を決定づけるのは、遺伝的要因よりも環境要因に依るところが大きい。特に幼少期における両親との関係(ネグレクトや過保護・過干渉)が一番大きな影響を与えるが、現代では幼少期のみならず、大人になった後でも、人とのつながりを稀薄化させる要因に我々は取りまかれていると岡田氏はいう。

 ひとつの例として挙げられているのが、情報依存だ。岡田氏はニュージーランドの研究者が発表したデータを引き、テレビやコンピューターなどの画面を見る時間が長い人ほど、親や友人に対する愛着が薄いということを指摘している。情報依存が、人びとから他者とふれあうための時間を奪い、その質を低下させているのかもしれない。このように現代はあらゆる場面で人とのつながりを稀薄化させる要因に溢れている。

 「回避型愛着スタイル」を持つ者には、「親友と呼べる人はいない」「人の意図に合わせた発言をし、自己表現をしない」「家族と会話はない」といった問題がみえてくる。特に、恋愛は、「回避型愛着スタイル」の者にとってわずらわしいものでしかない。密着した距離を心地よく感じることができず、他者に対して否定的なイメージを抱きがちであるため、長続きしないらしい。この本を読んでいると、「さとり世代」と呼ばれる現代の若者の特徴を思い出してしまう。「さとり世代」の特徴としていわれている「人との衝突を避ける」「欲がなく、ほどほどで満足する」「恋愛に淡白」と言った特徴はこの「回避型愛着スタイル」にも通じるものがあるように思えてならない。

 「回避型愛着スタイル」が必ずしも悪いというわけではない。ただ、本当の自分をさらけ出せる場が少ないと感じる者が増加することは虚しい。生きづらい世の中だと感じている人は、ぜひ一度読んでほしい1冊だ。

文=アサトーミナミ

ダ・ヴィンチニュース

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