合言葉は「誰も損をしない!」 中小企業のブランドをサムライが切る

ダ・ヴィンチニュース / 2014年2月12日 18時10分

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『地元の逸品を世界に売り出す仕掛け方』(安藤竜二/ダイヤモンド社)

「ブランドとは人に伝えるための手段だ!」

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 こう言い切るのは地域商品の「ブランドづくり」で地域をまとめ、「サムライ日本プロジェクト」代表、『地元の逸品を世界に売り出す仕掛け方』(安藤竜二/ダイヤモンド社)の著者でもある安藤さんだ。「物」を売ることばかりを考えていたらこのご時世価格競争に巻き込まれ、小さな会社は消耗するばかりだ。「物」ではなく「こと」を売らなくてはいけない。では「こと」とはいったい何なのか。それはストーリー、社長のこだわり、職人さんの技だという。そして「こと」が伝わった時に価値が変わるというのだ。本書は、この価値の変わる瞬間だけでなくノウハウを伝えてくれる。

 地域ビジネスがうまくいかないのには、共通する問題があると安藤さんは言う。それは「妄想の中にゴールを見つけようとしていること」だという。なにかというと情熱はあるが、一瞬の盛り上がりで消えてしまうというお決まりの理由。その他にも補助金が出て地元の原材料を使った商品を開発しても、作ることがゴールになってしまい、使ってもらうことが視野に入っていない。

 また、「○○名産」などのブランドシールを貼れば売れると勘違いしてしまう。誰が買ってくれるのか、どこで売るのかが具体的に計画されていないという共通点があるという。ビジネスは、熱い想いで突っ走ることではなく、利益をきっちりと生み出さなければ失敗なのだ。なぜなら、ビジネスとして利益が出なければ継続的な活動はできず、せっかく協力したのに駄目だったと地域の人たちのモチベーションも下がってしまうからだ。

 地域ブランドをつくる際に、一緒にメンバーに加わった磯辺ろうそく店(愛知県)の磯辺社長は地域ブランドの現状を次のように言う。東京から来た中小企業診断士やコンサルティングの先生の話は、「こうするといいよ」という話はしてくれるが、当事者の立場からすれば現実を知らない上での空論のように思えてしまうし、デザイナーもマーケットを切り開いてどこかへ行ってしまう。また行政中心に立ち上げをしても「みんな集まれー」になってしまい、コンセプトが薄れ、特色がなくなってしまう。熱意があるし行政の立場からすると断れないのだけどね。と…。

 しかし、この「サムライ日本プロジェクト」は違ったのだ。コンセプトにあわなければ入りたくても入れない。やりたいことも明確に伝わるものだったのだというのだ。では、そのコンセプトや条件とは一体何なのか。また今まで見向きもされなかった地域の商品が表参道ヒルズでも取り扱いをされるブランド商品となるための基本技術とは何なのか。BtoCでサービスを行う方はもちろん、ブランディングに興味のある人必読の1冊。その日から実践可能な対策がわかり、満足する内容のはずだ。

文=吉池拓磨

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