妖精、竜、神様…“癒し系”人外BLがきてる!

ダ・ヴィンチニュース / 2014年2月16日 9時20分

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『ニィーニの森』(SHOOWA/祥伝社)

 BLはファンタジーだとよく言われるが、最近、本当の意味でのファンタジー、童話のような人外ファンタジーBLが人気になっている。『このBLがやばい! 2014年度版』(NEXT編集部/宙出版)でも、竜や蛇の神様と人間の恋を描く『マウリと竜』(元ハルヒラ/リブレ出版)が第2位に選ばれていたし、さらに1月25日にはシリアス系とギャグ系の作品で人気の作家・SHOOWAの新作『ニィーニの森』(祥伝社)も発売された。そんな人外BLファンタジーとは、いったいどんな内容になっているのだろう?

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 まず、『ニィーニの森』で舞台となるニィーニの森には、願いを叶えてくれる湖の妖精がいる。そして、この森では「赤身の肉は食べちゃダメ」なので、いろんな種族のいろんな生き物が仲良く共存しているのだ。たとえば、幼い猫のハーフのココを守るため、彼と一緒にニィーニの森にやってきた狼のウルフ。彼は「この子が大きくなるまで見とどけたい」からと、湖の妖精に人間にしてくれるよう頼み、ずっとそばで見守っていた。ウサギのタドタと人間のオーウェンも、自分たちの住んでいた村を出てニィーニの森に住む。彼らが住んでいた村では、供え物のウサギを食べたら流行り病が治ったという噂で乱獲を始めた人間と、それに耐えられなくなったウサギたちが争っていた。

 でも、それに疑問を抱いていたオーウェンは話し合いをしにウサギの村へ単身乗り込む。タドタも「オレは人間が嫌いじゃない」「耳がなきゃダメだとかいいとかホントはイミわかんねーし」と思っていたから、同じような考えの人もいると知って、オーウェンに興味を持つ。ほかにも、カエルとブタやカブトムシ同士のカップリングが登場するが、争っていた者同士や本来ならわかりあえない他種族の生き物たちが、性別どころか種族も超えて愛し合うのだ。

 一方、『マウリと竜』には土地を巡り、思いが通じあった相手と同じ姿になれるという神様たちが登場する。表題作である「マウリと竜」に出てくる竜の神様は、生贄としてやってきた少年・マウリにだんだん惹かれていく。はじめは「チェンジ!!」「小汚いガキは帰れ」と言っていたのに、マウリがほかの村人に襲われそうになると怒り狂い、「マウリはダメー!!!」と駄々っ子のようにしっぽで隠す。「雨降らしの神様」には、主人公の男子高校生・松里が一目ぼれした白蛇の神様・白峯が出てくる。彼は、松里に「白峯なんて大っ嫌いだ!!!」と言われて落ち込んで岩戸にこもり、「どうにかどうにかなお前の機嫌を直そうとな色々集めて…」とキラキラしたものをひたすら集める。ほかにも、春を呼ぶ小鳥の神様や馬の神様など、さまざまな神様と人間たちが恋をするのだが、ここでも神様と人間という身分の違いや人と竜、人と蛇、人と小鳥、人と馬といった種族の違いも大したことではない。

 本来、男同士ということでもがき苦しむBLなので、つらく切ない作品も多い。でも、人外ファンタジーBLでは好きだから悩むことはあっても、男同士ということで悩むことはない。切なさを秘めながらも、温かなハッピーエンドで終わる話が多いのだ。誰もが「好き」という気持ちだけで動いているし、お話には相手を助けたい、守りたいという優しい感情が溢れている。だから、BL初心者でも入りやすいし、BLを読み込んだ腐女子にとっては、つらいことの多いBLにおいて、つかの間の癒しになる。今後も切ないBLが増えれば増えるほど、やさしくほっこりとした気持ちになれる人外ファンタジーBLの需要は高まっていくのかもしれない。

文=小里樹

ダ・ヴィンチニュース

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