人気作家4人が激白 ミステリー作家特有の苦しみ

ダ・ヴィンチニュース / 2014年2月23日 9時20分

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(左から)今野敏、貫井徳郎、誉田哲也、湊かなえ

 全国のフェア参加書店で実施している「ミステリーブックフェア」。2014年の実施にあたり、ミステリー作家4名(今野敏、貫井徳郎、誉田哲也、湊かなえ)によるスペシャル座談会が行われました。ミステリー小説についてのそれぞれの想いや、作家の日常とは?

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■現実が想像力を凌駕する時代の小説

―近頃は小説も真っ青というほど奇妙な事件や事故がたくさん起こっています。ミステリー作家にとってやりづらい世相になったと感じる事はおありですか?

【今野】 それは特にないですね。小説のリアリティというのは、現実のそれとは別のものですから。

【貫井】 現実に起こった事件がどれほど奇妙でも、それをそのまま書いては小説にはなりません。

【今野】 そう。たとえば、最近起こった冷凍食品への薬物混入事件のようなものを小説にしたら、読者は絶対に納得しない。動機や犯人のキャラクター設定が不自然だと言われておしまいです。

【湊】 現実の事件の方が不条理というか、理由がつかない事がいっぱいありますよね。数年前に一人の女性が次々に男性を騙し、金銭を巻き上げては殺していったという事件がありましたが、もしあの事件が起こる前に同じような内容のプロットを編集者に提出したら、リアリティがないと言われてボツになっていたと思います。

【誉田】 確かに、「こんな女に騙されますか?」と突っ込まれるでしょうね。誰だって男を騙す女は魅力溢れる美女に違いないと思い込んでいますから。

【貫井】 そこが小説と現実の違いでしょう。小説のリアリティというのは、作品中での出来事や人物をどれだけリアルに感じさせるか、という点に尽きます。

【今野】 ミステリーは、小説世界内での蓋然性と自然性にこだわらなくてはいけません。だから、事件そのものが現実よりこぢんまりしたものになってしまうこともある。とはいえ、貫井さんのような本格や新本格系のミステリーを書く作家は大変でしょうね。アイデアの良し悪しが作品の中でものすごいウェイトを占めるじゃないですか。トリックを思いつかない時は地獄の苦しみだと思う。

【貫井】 だから、本格ミステリーの作家はみんな寡作気味なんですよ(笑)。

【今野】気持ちはわかるけど、推理作家協会の理事長としては「もっとたくさん書こうよ」と言いたいね(笑)。


■小説家であり続けるために

【貫井】 今野さんは今どれぐらい連載を持っているのですか?

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