米国人バイヤーが選んだ、アメリカでブレイクしそうな日本のマンガ ベスト5

ダ・ヴィンチニュース / 2014年2月25日 11時40分

写真

『聖☆おにいさん』(中村光/講談社)

 アメリカやフランス、中国、台湾…日本のマンガは、海を越えたその先々でヒットを生み出している。ここ数年、アメリカにおける日本のマンガ産業は停滞気味だそうだが、『進撃の巨人』は大ヒット。新たな作品で、巻き返しを図ってほしいところだ。

【1位~5位の画像を見る】

 今回は、マンガ評論家としての顔ももち、アメリカのマンガ出版社DCコミックスや日本の大手出版社での勤務を経て、現在は、NYで活躍する米国人C氏に、アメリカで出版されればブレイク間違いなしの日本のマンガベスト5をセレクトしてもらった。

■1位 『聖☆おにいさん』(中村光/講談社)
まだアメリカで出版されていない作品の中で、一番ヒットする可能性が高いのが『聖☆お兄さん』。作中に登場するハイレベルな“コメディ性”が理由。立川の小さなアパートで一緒に暮らす宗教家・イエスとブッタの概念は、キリスト教徒が多いアメリカ人にとって少し抽象的かもしれないが、思慮深く、ユーモラスな手法で描く日常は間違いなくウケるだろう。ポップカルチャーの多くは世界で通用し、『聖☆おにいさん』に出てくるような日本固有の概念は、他の翻訳マンガではほとんど見られないため、現地
の日本好きにとっても、興味深く洞察できそう。「鉛の文字」など、熱心な宗教家から、否定的な論争が生まれる可能性はあるが、自由主義的なアメリカの若者からの支持を得て、絶大な売上げにつながると予想。

■2位 『北斗の拳』(武論尊、原哲夫/集英社)
アニメは、すでにアメリカで放送され、実はマンガも過去に二度出版された『北斗の拳』。印象が薄いのもそのはず、初めてリリースされた時期が、まだアメリカに日本のマンガ文化が根付いていない90年代初頭。二度目は約10年前だが、わずかなヒットで終わった。その数年後に、発売は中止されてしまったのだ。だが、最近の大ヒット作『機動戦士ガンダム』や『ポケットモンスター』にみるアニメやマンガ読者の世代の関心を例にとると、プレミアム愛蔵版で再リリースするなど、コレクター層を狙うことで、ニューヨークタイムズベストセラーリストに上る『機動戦士ガンダム』、『セーラームーン』、『ブラックジャック』といった“classics”作品に並ぶ可能性は否めない。アニメのシーンを熟知しているファン層がいる点は大きい。

■3位 『僕はビートルズ』(藤井哲夫:原作、かわぐちかいじ:作画/講談社)
なぜ、この作品がリリースされていないのか、というほど、可能性を秘めている『僕はビートルズ』。うまくいけば、これまで翻訳出版された青年マンガの中でもビックタイトルになりうるだろう。アメリカでは、一般的にアニメを通してマンガを知る。脚色しにくい「青年マンガ」の扱いは難しくリスクもあるが、ビートルズファン=ターゲットと考えると期待は大きい。今なおビートルズはコアな音楽ファンだけでなく、一般的な音楽ファンの間でも話題に上るバンド。そのビートルズの音楽が題材ともなれば、現代ロックのとがった音楽要素をはらんだ“タイムスリップマンガ”に、アメリカのメディアや人々もいろんな意味で食いつくのでは?オノ・ヨーコが支持するかどうかはわからないが…。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
ダ・ヴィンチニュース

トピックスRSS

ランキング