外国人が見たニッポン人のナゾ 「居酒屋のトイレにはなぜ人生訓が貼ってあるの?」

ダ・ヴィンチニュース / 2014年4月7日 11時30分

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『正しい日本人のススメ』(アラン・スミシー:著、ユースケ・ジョーダン:訳/宝島社)

 「いつもキレイに使っていただきありがとうございます」

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 トイレで用を足すときに、しばしば目にする貼り紙の文言。使う前からお礼を言われたら、キレイに使うしかないよな、と思いつつ、別の壁を見る。

 「居酒屋親父の十カ条」「しあわせ宣言」

 おそらく店長が考えたと思われる、人生訓が、上手いのか下手なのか分からない筆文字で書かれている。おまけにトイレの日めくりには「今日の名言」も書かれてたりして。違和感。なんで、トイレを貸す側がお礼を先に言う? なんで、トイレに人生訓?

 違和感の始まりがトイレだったのかどうかは分からない。ただ、そんな小さな違和感を大いなるカルチャーショックと受け止め、生体調査報告書にまとめちゃった英国紳士がいる。日本在住歴10年の英国人アラン・スミシー氏だ。『正しい日本人のススメ』(ユースケ・ジョーダン:訳/宝島社)では、外国人から見たら「?」なニッポン人のオモシロおかしい生態がいくつも報告されている。本書において、スミシー氏は、ニッポン人の奇妙な生態を「うやむや」と「なあなあ」の2つのキーワードで分類している。小さな疑問と謎の解析の先に浮かび上がる、ニッポン人とはいかなる存在なのか?

 「うやむや」の一例として挙げられているのが「カラオケ」。

・サビ以外あやふやな曲を雰囲気で乗り切る
・ふだん目立たない人がハモリやタンバリンで活躍
・自信のある曲ほど自信なさげに歌いだす
・間奏が長いと手持ち無沙汰になる

 ニッポン人なら誰でも思い当たる“カラオケあるある”だ。それを英国紳士はこう分析する。「ニッポン人は過剰なほど“空気が読めない”“気まずい”とされることを恐れ、その場の享楽的なムードを取り繕うことに死力を尽くす人種です」と。

 そんなニッポン人とカラオケに行く外国人に、スミシー氏はアドバイスを送る。

・カラオケBOXをラブホ代わりに使うのはNG
・受け狙いでアニソンを歌うと、アニオタ外国人のレッテルを貼られるから注意

 一方、「なあなあ」な場面のひとつに「謝罪」がある。

・悪くなくても「すみません」連発
・誠意は頭を下げる角度に比例
・重役はとにかく並びたがる
・最終兵器は「土下座」

 これまた「謝罪あるある」だが、ここにもニッポン人の特色が強く現れている。「謝ったら負け」「争いに勝つ」というアメリカ的価値観に対し、「争いを起こさない」ことがニッポン人にとっては大切。ゆえに、ニッポンでは「謝ったほうが勝ち」という雰囲気すらあり、時々ニッポン人が「謝ったのに許してくれない」という謎の逆ギレをすると、スミシー氏は分析する。そこには、喧嘩両成敗的な、責任所在を「うやむや」にすることを良しとするニッポン人像が浮かび上がるのだ。

 これら以外にも本書では、お手洗い、満員電車、ワリカン行動、会議、残業…などなど、様々な場面を取り上げ、ニッポン人の実態に迫っている。笑いあり、腹立ちありの報告書である。

 ところで、アラン・スミシーといえば、ハリウッド映画で使われていた架空の監督名だが…本書の著者って、イギリスの人だよね? まあ、確かにニッポン人にとってはアメリカ人もイギリス人も同じように見えるし、うやむやになってるけど…まあ、その辺は突っ込まず、なあなあで済ますのが正しいニッポン人ということで。 

文=水陶マコト

ダ・ヴィンチニュース

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