池松壮亮「“誰かのために”動くことの大切さを教えてくれた一冊」

ダ・ヴィンチニュース / 2014年4月11日 11時30分

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『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』(池田貴将:編訳/サンクチュアリ出版)

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『大人ドロップ』に出演している池松壮亮さん。昨年、運命的な出会いをし、今でも何度も読み直すという『覚悟の磨き方』は、今ではバイブルになっているという。果たして、この本が彼にもたらしてくれたものとは――?

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「たまに、作品の撮影に入る前に、“これは観ておかないと”とか、“これは読んでおいたほうが役に立つかも”と、直感的に手にする映画や本があるんです。仮にそれが、普段なら見向きもしない作風であっても妙に気になるというか。きっと、自分の体から出ている電波が何かしらをキャッチしているんだと思います」

 今回、池松さんが紹介してくれた『覚悟の磨き方』も、その電波に引っかかった一冊だ。これまで自己啓発的な本には一度も触れたことがなかったのに、書店で見かけて、思わず手にしていたという。

「購入して、しばらくするまでは吉田松陰の本だっていうことも知りませんでした(笑)。ただ、ここに書かれている内容が自分の価値観とすごくマッチして。気づいたら、一気に読んでました」

 ここで言う彼の価値観とは一体どのようなものなのか。その質問を投げると、「答えになっているかわかりませんが……」と前置きを挟みながら、「僕は、オーディションや人との出会いなどいろんなきっかけがあってこの仕事をしているので、自分が目立ちたいとか、“この仕事がしたい”とか明確な気持ちを持ってこの世界に入ってきたわけではなかったんです」と意外な言葉を続けた。

「もちろん芝居が嫌いなわけでもなく、仕事に誇りももっています。ただ、僕の周りにいる知り合いのミュージシャンや映画監督を見ると、当たり前ですけど、“この仕事がしたい”と思ってやってるんですよね。しかもみんな、“いいものを作ろう”という思いだけじゃなく、大きく言えば、本気で自分の作品で日本を変えるぐらいのつもりでやっている。そんな人たちが、僕には聖人に見えてきて。いつしか、僕もそうなりたいと思い始めたんです。この本に書かれている内容は、まさにそんな僕の気持ちを後押ししてくれているようで、“僕も、吉田松陰と同じなんだ”と思えたんです」

 今では仕事をする上で“誰かのために”という思いが強くなったという池松さん。ちなみに、間もなく公開される映画『大人ドロップ』にはこんなエピソードがある。

「この作品は、以前出演した『半分の月がのぼる空』という映画の制作チームの方に声をかけていただいたんです。僕が大学を卒業するという転機に、『一緒に、『半分~』と同じように地方を舞台にした映画を撮ろう』と言ってくださって。すごく嬉しかったですし、僕もその気持ちに応えたいと思いました。偶然ですけど、ここにも“誰かのために”という思いがあるんですよね。そんな素敵なスタッフさんやキャストの皆さんと作った作品ですので、ぜひ観ていただけたらと思います」

取材・文=倉田モトキ

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