「先送り」や「後だしジャンケン」こそがビジネスマンが生き残る方法だ! 仁義なき競争を生き抜いた生物に学ぶ

ダ・ヴィンチニュース / 2014年5月7日 11時10分

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『「先送り」は生物学的に正しい 究極の生き残る技術』(宮竹貴久/講談社)

 「ビジネスの世界は弱肉強食、食うか食われるかだぜ!」なんてフレーズはよく聞くものの、上位に君臨する者はやっぱり食う側。役職のない身としては、「こちとら正直、食われかけてばっかなんですけどー!」と雄叫びのひとつも上げたいところ…。

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 しかし、ちょっと窓の外に目を向けると、世界は我々によく似た状況の生物であふれている。たとえばカラスに狙われるスズメ。そのスズメに狙われるカナブン。36億年の長きにわたり、ピラミッドの下方にいる生物は、上方にいる生物から命をおびやかされ続けてきた。

 ピラミッド的に最弱の地位にいる生物たちが、しぶとく今日まで命をつなげたのは、まさに長い歳月をかけて磨き上げた“生存戦略”の賜物! その戦い方をひもとき、ビジネスマンの生き残り術を教えてくれるのが、『「先送り」は生物学的に正しい 究極の生き残る技術』(講談社)だ。

 「生物の世界には、群れの中心にいたほうが敵に食われにくいというシンプルな戦術から、敵に会った時のさまざまな対峙法まで、生きるために役に立つ進化が盛りだくさん。人間の世界と生物の世界はパラレルとして良く似ているため、生物から学べることは多いんですよ」

 そう話すのは、著者である進化生物学者の宮竹貴久先生! しかし、その生存戦略を人間界に置き換えると「先送りをする」「後だしジャンケンをする」「パラサイトになる」など、“ダメ社会人”の典型がズラリ。生物、超ワルじゃないですか!

 「いやいや、これが理にかなっているんです。なかでも多くの生物が取り入れているのが、“先送り”。敵に襲われたときに逃げるのではなく、何もしないことで急場をしのぐ“死んだフリ”もその一つです。たとえばコクヌストモドキという虫は、天敵・クモに会うと死んだように動きを止めます。すると、同じ場所で動き回っている生物がクモの餌に…。動かないことによって敵の注意をそらし、助かるのです」(宮竹先生)

 先生の研究によれば、死んだフリをするコクヌストモドキの生存率はなんと93%! 我々も、天敵(上司)のゴキゲンが悪い時は息をひそめて気配を消すのが、生物学的には正解らしい。

 また、先行者の後から後続者が利益をかっさらう「後だしジャンケン」も先送りのひとつ。ウシの大群が川を渡る際、年長ウシが若者ウシを川に突き落とし、水中に天敵のワニがいないことを確かめて続くケースがあるのだそう。頑張って“一番のり”になるより、ちょっと様子を見たほうが、物事を有利に運べることもあるのだ。

 「我々からすると、生物たちは“頑張りまくって”必死に生きているように見えますが、実際は限られたエネルギーで、効率よく子孫を残すことに取り組んでいるだけ。何もかも全力で頑張ることだけが、結果につながるわけではないのです。当然、いい人に見られようとしたり、他人と自分を比較して羨んだりすることもない。その生き方からは、私たちも生物として、もっと自分のペースで生きてよいのだと教えてくれている気がします」(宮竹先生)

 恐ろしい天敵がいて、使える時間や体力にも限りがある状況で生き残ってきた生物たち。もちろんモラルも大事だけれど、本書には仕事の仕方がガラリと変わるスゴイ知恵が満載。頑張りすぎの人こそぜひ読んでみてほしい、ユーモラスな生き方バイブルだ。

文=矢口あやは

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