『福家警部補』の著者・大倉崇裕が語るミステリーとしての『相棒』

ダ・ヴィンチニュース / 2014年5月11日 7時20分

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『ダ・ヴィンチ』6月号(メディアファクトリー KADOKAWA)

 ドラマ『相棒』の映画第3弾『相棒 -劇場版3-巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』が4月26日に公開された。14年にもわたる『相棒』の歴史は数々の名エピソードを生み出してきた。複雑に張り巡らされた伏線や大どんでん返しに加え、時事的なテーマを巧みに盛り込んだ構成。脚本の濃密さこそが『相棒』の命だ。

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 『ダ・ヴィンチ』6月号の『相棒』特集では、著書『福家警部補の挨拶』が実写ドラマ化されたミステリー作家の大倉崇裕が、『相棒』ファンとしての目線からその魅力を分析している。

「『特捜最前線』というドラマがとにかく大好きで、あれを観てミステリーを好きになったくらいなんですが、それと雰囲気が似てたんですね。二人が出ているというだけの設定で、翌週何が起こるかわからないという、型にはまらないところが気に入りまして。しかもトリッキーで、普通のお約束に収まりきらない話を結構やっている。刑事ドラマ好きのハートがうずいたというか(笑)。刑事ドラマって1970~80年代くらいで終わったと諦めてたところにこういうドラマが出たので、余計に熱狂して観ているわけです」

 好きなエピソードを尋ねたところ、ベストは「バベルの塔」、他には「ボーダーライン」「監禁」「ピエロ」「編集された殺人」「殺人ヒーター」……と、かなりバラエティに富んだラインナップとなった。他のミステリードラマを観る時もストーリーの面白さを重視するという大倉らしく、脚本重視の見方になるようだ。

「櫻井武晴さんが書くような“不祥事もの”は面白いですね。私が勝手にそう呼んでるんですけど(笑)。単純な不祥事じゃなくて、一回必ずひっくり返しがある。そのプロットの深さ、緻密さが好きです。あとは古沢良太さん脚本の、伏線の利いた、いろいろちりばめられてたものが最後に収束するパターン……例えばシーズン12の『待ちぼうけ』は、時系列や視点をバラバラにした構成が巧かったです。意外な犯人とか、解決の鮮やかさというのも好きなんですけど、そういうものよりは、じわじわと攻めてこられて最後になるほどと納得するもののほうが好きですね」

 一番好きなキャラクターは小野田官房室長だという。

「小野田は杉下の正義感に疑問を投げかけてくる存在なのが好きですね。憎みきれない黒幕という難しい部分を、キャラクターとしても役者としても上手く出していました。歴代相棒はどれも好きですが、やっぱり亀山薫になりますかね、原点としては。あとマーロウ(高橋克実扮する私立探偵の矢木明)が好きで、また出てきてほしい」

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