美坊主登場? イケメン勢揃いの東京版「SEX AND THE CITY」とは

ダ・ヴィンチニュース / 2014年5月24日 7時20分

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『5時から9時まで』(相原実貴/小学館)

 誕生日ケーキの上に立てたロウソクを苦々しく思うようになったのはいつからだろう。毎年増えるロウソクの数はいつしか夢を叶えられなかった年月を数える灯火になった。馬齢ばかり重ねて一体これからどうなってしまうのか。そんな風に悩んでいる時に、急にあらゆるチャンスが飛び込んできたら、あなたはどうするだろうか。安定を選ぶのか、夢を選ぶのか。この本の主人公はありとありゆるタイプのイケメンに囲まれながら、彼女自身の人生について思い悩んでいる。

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 相原実貴氏著『5時から9時まで』(相原実貴/小学館)は、見合い相手と幼馴染み、夢と安定の間で揺れ動く英会話講師を主人公とした作品だ。数日後に27歳の誕生日を控えた桜庭潤子は、30までに海外で生活をすることを夢見ている。夢のために邁進するのは良いが、焦りがないわけではない。そんな中、母親が勝手に進めたお見合い相手は、僧侶・星川高嶺。潤子のことを気に入ったのか、潤子の勤める英会話学校にも入会し、ことあるごとに潤子のそばにいようとする。潤子は一体これからどうするのか。大人にこそ読んでほしい、女性のリアルな葛藤が描かれた物語だ。

 潤子は非常勤だが、英会話講師としての人気も高く、充実した日々を送っている。正社員となって海外勤務するチャンスをものにしようとあくせくと仕事に励んでいる。

 だが、東大卒、イケメンの見合い相手・星川は、仕事への理解は一切ない。彼女が早く仕事をやめて、「寺の嫁」になることを望んでいる。しかし、仕事に反対する理由を問えば、潤子が仕事で男性と二人きりになるのも耐えられないからだと異様に嫉妬深い面も覗かせる。いきなり大きな花束を潤子にプレゼントしたり、毎日フェラーリで潤子の仕事が終わるのを待っていたりするなど、とんでもなく重いが、時折、潤子は星川を愛らしく思ってしまう自分に気づいている。

 潤子を思うのは星川一人ではない。潤子の大学時代のサークル仲間で友人のエリート商社マン、三嶋聡は潤子のことをかつてから意識しているが、プライドが高く、友人以上の関係に踏み込めないでいる。海外赴任を内示されている三嶋は潤子との関係にやきもきし、ある日ついに思い切った行動に出る。「超やっかいな性格の見合い相手」星川と「大学時代からの友人」三嶋の間で心が揺れ動く潤子は一体どちらを選ぶのか。

 その他にも、潤子の生徒で女装趣味の男子高校生・里中由希もユキに自分の思いを伝える。そんなモテモテな潤子が気に食わないのか、英会話学校の事務職・毛利まさこはことあるごとに潤子の周りをかき乱していく。個性的なキャラクター達が、悩める主人公をさらに際立たせていく。

 大人になればなる程、自分の将来は描きにくくなる。そんな女性の葛藤を主人公・桜庭潤子は体現してくれている。あまりにもモテ過ぎていて羨ましい限りだが、いろんな男性が登場するからこそ、かならず自分が好きなキャラに巡り合えるのもこの漫画の魅力だろうか。恋に仕事に、あれこれと思い悩む大人の女性にこそ読んでほしい作品だ。

文=アサトーミナミ

ダ・ヴィンチニュース

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