【MLBの哲学】ヤンキースのユニフォームに選手名が入っていない理由

ダ・ヴィンチニュース / 2014年5月26日 7時20分

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『ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手の名前がないのか?』(鈴木友也/日経BP社)

 ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手がメジャー初黒星を喫し、レギュラーシーズン公式戦での連勝は34でストップとなった。 マー君の活躍だけならず、ダルビッシュがノーヒットノーランにあと一歩に迫り、上原が安定したピッチングを続けるなど、MLBの話題に事欠かない日々だ。

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 とかく日本人選手の活躍に目が行きがちだが、MLBのその根底にある考え方、取り巻く環境、数々の伝説を知れば、ベースボールをもっと楽しめる、もっと好きになれる。 『ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手の名前がないのか?』(鈴木友也/日経BP社)に、その魅力を探った。


■ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手名がないのか?

 意外に感じた人もいるかもしれないが、ヤンキースのユニフォームの背中には、選手名がない(レプリカにはある)。他球団では当たり前の名前がないのはなぜか?

「超一流選手でも球団の存在を越えることはない」

 ヤンキースの球団哲学がその答えだ。ヤンキースは名門中の名門球団であり、ワールドシリーズ出場40回以上、優勝27回という圧倒的な強さと伝統を誇る。その一員としてプレーすることは選手にとって最高の栄誉であり体験だ。ヤンキースに入団する選手は、たとえトレードマークだとしても、球団のルールに従いヒゲを剃り、短髪にカットする。超一流の有名選手でも。それでも入りたい球団なのだ。 選手はお金には代えがたい価値を求めて入団し、球団は新たな伝説を積み上げるために選手と共に戦う。すべてはヤンキースという球団のためにある。


■レッドソックスの本拠地ファンウェイ・パークに刻まれた歴史とは?

 上原の所属するレッドソックスのホーム、ファンウェイ・パークの右翼席はきれいなダークグリーンで統一されているが、一席だけ、赤いシートがある。それはなぜか?

「最後の4割打者・テッド・ウィリアムズ選手が1946年に放ったフェンウェイ最長のホームランが飛び込んだ位置」だから。

 左翼にあるグリーンモンスターと呼ばれる高いフェンス(11.3m)には、他球場の試合を伝えるスコアボードがある。スコアを仕切る白線の中に、小さな点々が入っている。

 これは何か? 答えは「モールス信号」。解読すると「TAY」と「JRY」。これは前オーナー・ヨーキー夫妻のイニシャル。夫、妻、財団と受け継ぎ、1933年から80年間に渡ってチームを守った夫妻への敬意を示したものなのだ。イニシャルの上には「IN(イニング)」「R(得点)」「P(投手)」の文字があり、並べ替えると「R IN P」…「Rest in Peace(安らかに眠れ)」の意味になるという。

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