『メンヘラちゃん』マンガ家が新著で明らかにした過去の不登校 それを乗り越えられた理由とは

ダ・ヴィンチニュース / 2014年6月8日 7時20分

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『学校に行かなくなった日』(琴葉とこ/KADOKAWA エンターブレイン)

 『メンヘラちゃん』(琴葉とこ/イースト・プレス)というマンガはご存じだろうか?

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 主人公のメンヘラちゃんが、友達と共にいじめ、鬱、不登校、初恋などに向き合う姿を描いている。ブラックユーモアを交えたギャグテイストながらも、思春期の心の闇をリアルにとらえ、人間の弱さや強さなどが感じられる作品だ。そのリアルさは作者の琴葉とこ自身が不登校であり、自律神経失調症などの病を抱えていたからこそ生み出された。

 『学校に行かなくなった日』(琴葉とこ/KADOKAWA エンターブレイン)では琴葉さんが不登校だった頃の体験や心の動きが描かれている。彼女はどうして不登校になり、どう克服したのだろう。


■徐々に行けなくなる学校…
 琴葉さんは小学校4年生から中学校3年生の6年間学校に行っていない。きっかけは小学校2年生の時にクラスの男子との不和からはじまった。それは、いじめというものではなく、泣き虫な琴葉さんをからかっているだけだったのかもしれない。それでも、本人にとっては相当なダメージがあった。そこから琴葉さんは学校を休みがちになっていく…。

 全く学校へ行かなかったのは家族で神奈川に引っ越した小学4年生の時。引っ越した当初は上手くいっているように思えた学校生活。だが、気付かぬうちに張りつめていた緊張の糸が突如として切れ、体の不調が現れる。病院へ行った琴葉さんは自立神経失調症と診断された。


■父の無理解と母の愛情
 心の闇は不登校に理解を示さない父親のもと、更に深刻なものになっていく。不登校の児童が通う学校へ行ったり、カウンセリングを受けたりするが解決の道が見つからない。

 そんな時の心の支えは得意のイラストだった。ブログにイラストを掲載することで、ネット上に友達を作っていく。また、同時期、pixivに投稿した『メンヘラちゃん』も多くのファンを作る。イラストによって琴葉さんは少しずつ自分の居場所を見つけていった。

 不登校は中学3年生で卒業し、高校は通信制ながらもきちんと通うことができ、現在は大学に通いながらマンガ家として生活する琴葉さん。一見するとイラストが心の病から救ってくれたように見えるが、影ながら支援する母親の力も大きい。

 イラストコンテストの応募を薦め、一緒にイラスト講評会に参加し、イラストをネットに投稿するためのスキャナーを買った。また、ネット上で知り合った男子大学生からコミティア(自主制作漫画誌展示即売会)に一緒に参加しないか誘われた時も、会場までついていき男子大学生との顔合わせやコミティアの下見も行っている。

 好きなことを自由にやらせるほど大変なものはない。普通なら、どこかで反対してしまいそうだが、そんな素振りも見せることなく傍に寄り添っている。押しつけのない愛情こそ思春期の親には必要だと思わせられる。

 本書では悩み苦しみながらも前を向いていく琴葉さんの心の動きや、母親の愛情が丁寧に描かれている。思春期に何かしら悩んだことがある人ならば、心を動かされるのではないだろうか。

文=舟崎泉美

ダ・ヴィンチニュース

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