ロンバケ・花男・踊る… あのドラマのあの名シーンが生まれたのにはすべて理由があった!

ダ・ヴィンチニュース / 2014年6月16日 14時40分

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『なぜ取り調べにはカツ丼が出るのか? テレビドラマと日本人の記憶』(中町綾子/KADOKAWA メディアファクトリー)

 私は小さい頃にザ・ドリフターズの『ドリフ大爆笑』が大好きでよく見ていました。ドリフのコントは基本に忠実、今にしてみればベタなその内容が当時の私にはちょうどいい面白さでした。現在、バラエティ界ではコントやネタ番組が激減、ベタな笑いを提供してくれる番組はほとんどなくなってしまったようにも感じます。一方で、ドラマ界にはまだまだベタな展開と言える内容のものが多く残っているかのように思えます。

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 『なぜ取り調べにはカツ丼が出るのか? テレビドラマと日本人の記憶』(中町綾子/KADOKAWA メディアファクトリー)はそんなテレビドラマにおけるベタなシーンを、なぜそんなシーンが生まれたのかという理由と共に紹介。著者は日本大学芸術学部でテレビドラマを専門に研究していることもあり、実に説得力のある文章でそれを教えてくれています。

 例えばドラマの登場人物は雨のシーンで傘もささずに濡れていることがやたら多いですが、これには2つの理由があります。ひとつはこれから起こる悲しい展開を視聴者に予感させるため、もうひとつは衣装が雨に濡れるのでNGが出せないことと雨音が大きいので大声を出さなければいけないことから役者の迫真の演技を引き出すためだといいます。

 恋愛ドラマでは、物語の中盤で主人公の恋のライバルとなる「ヒロインの元カレ」が海外から帰国するシーンが多く、やたらその役を演じているのが谷原章介だったりします。その理由は「主人公のライバルを“強敵”にさせるため」だということです。なるほど、確かに「海外帰り」というだけでその男はデキそうに見えますし、ヒロインと別れた時よりもパワーアップしてそうな感じします。さすがに谷原章介が演じている理由についてまでは書かれていませんでした…

 そして本書のタイトルにもなっている「カツ丼のシーン」、これには1955年に公開された映画『警察日記』と1963年に実際に起こった「吉展ちゃん誘拐殺人事件」の2つが大きく関わっているとのことですが…詳しくは本書を読んで頂ければと思います。

 本書を読むと日本のドラマは、いかに日本人が持っている国民性や願望によって形作られているかがよく分かります。それこそベタな言い方になってしまいますが、本当にテレビ番組を作っているのは制作者なのではなく視聴者である国民なんだなということに改めて気付くことができました。

それにしてもバラエティ界で唯一、いまだに「バカ殿」のようなベタなコント番組を作り続けている志村けんはスバラシイ!!

文=鎌形剛

ダ・ヴィンチニュース

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