ドーナツを穴だけ残して食べる方法はあるのか? 【学者たちが真剣に解答】

ダ・ヴィンチニュース / 2014年6月27日 7時20分

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『ドーナツを穴だけ残して食べる方法 越境する学問 穴からのぞく大学講義』(大阪大学ショセキカプロジェクト:編/大阪大学出版会)

 ドーナツを穴だけ残して食べる方法はあるか。大人の私たちは、疑いもなくそんなの不可能だと思ってしまう。

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 この命題をどこかで目にしたという人もいるだろう。かつてネットで取り上げられたこのネタには、次のような書き込みがされている。

統計派:「100万回食べれば1回くらい穴だけ残っているかもしれない」
芸術派:「私が存在しない穴を写実することでなんとかできないだろうか?」
言語派:「問いかけが漠然としていて厳密な対策が不可能」
報道派:「まずはドーナツに穴が空いているか世論調査すべき」…

 となかなか秀逸で答えを導き出す前に納得してしまいそうだ。

 そんな「どうしたらドーナツを穴だけ残して食べられるか」という難題に真剣に向き合ったのが『ドーナツを穴だけ残して食べる方法 越境する学問 穴からのぞく大学講義』(大阪大学ショセキカプロジェクト:編/大阪大学出版会)だ。本書は、大阪大学の12の分野の教授たちが、「ドーナツ」を学問的に眺め、答えを出すというユニークな挑戦を伝えるもの。企画から刊行まで、大阪大学の学生達がプロジェクトとしてすべて行っているのも興味深い。
 
 ここで少し3つの学問から本書にある「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」を紹介しよう。

【工学】「ドーナツを削る」(工学研究科環境・エネルギー工学専攻・高田孝准教授)

 ドーナツ成分を残したまま穴を残すという方法のほかに、単に「ドーナツの穴を保存する」という方法が考えられる。なるべく薄くドーナツの穴の型を取るため、工学で広く使われている“コーティング膜生成”を使う。ドーナツの表面をコーティングした後、ドーナツ本体を取り除くというもの。さらにコーティング膜生成において代表的な“真空蒸着”という方法をとれば、ある程度食べた(工学的には削った)ドーナツと、たとえば白金を真空容器の中に入れ、スパッタリング(※1)を行い、有機溶剤などでドーナツ成分を溶かすと厚さ数十nm(ナノメートル)程度の皮膜だけ取り残されることになる…。
(※1)イオン化させたガスを材料に衝突させることで気化させる方法。虹色に光るスキーやスノボ用のゴーグルもこの方法で作られている


【美学】「ドーナツ=家!?」(文学研究科・田中均准教授)

 「美学」という学問で重要なこと。それは、何について研究するかより対象のどのような点に注目して、いかに考えるかということ。田中氏は、「ドーナツを食べるとドーナツの穴が無くなる、という前提自体を疑ってかかる必要がある」という論点から展開していく。最終的には、「ドーナツは家である」という結論におちつくのだが、はたしてどういうことなのか?

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