宮崎駿監督が「自分にはできない」と思った『思い出のマーニー』、その見どころは?

ダ・ヴィンチニュース / 2014年7月9日 11時50分

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 2010年に大ヒットした『借りぐらしのアリエッティ』を手がけた米林宏昌監督の最新作『思い出のマーニー』が7月19日から全国で公開される。『風立ちぬ』で引退表明した宮崎駿監督と盟友・高畑勲監督が制作に関わっていない長編アニメーション作品はジブリでは初めて。イギリス児童文学の名作を美しく繊細な映像で描いたこの物語にはジブリの新たな強く優しいメッセージが込められている。

監督/脚本・米林宏昌氏、美術監督・種田陽平氏からのコメントはこちら

“この世には目にみえない魔法の輪がある。輪には内側と外側があって、私は外側の人間。私は私が嫌い”

 そう感じている主人公の杏奈は12才の中学生。学校も友だちも苦手で、自分を見失ってしまっている女の子だ。そんな杏奈の前に謎の少女マーニーが現れ二人はすぐに仲良くなる。ところが村人たちはマーニーのことを知らなかった──。

 孤独な少女二人の魂の交歓が印象的だ。このイギリスの児童文学は宮崎駿監督が大好きな作品だったが、「映画にするには難しすぎて自分にはできない」と思っていたという。その大役に名乗り出たのが米林監督だった。「アリエッティでやり残したことがあるんです。それをこの作品でぜひやりたい」と意気込む米林監督に鈴木プロデューサーは制作を一任。巨匠・高畑勲も関わらないジブリの新たな挑戦作となった。

 この映画で米林監督が特にこだわったのは、杏奈とマーニーの繊細なやりとりだという。小さな身体で深い孤独を背負って生きる杏奈の敏感で真っ直ぐな心。そんな杏奈のことをずっと前から知っていたかのようなマーニーの優しさ。「あなたのことが大すき」と言い合えるほど親密になっていく二人にやがて別れが訪れ、互いに分かち合った秘密の謎が解き明かされた瞬間、涙がこみあげてくる。

 ダブルヒロインもジブリ初だ。杏奈の声を本作がアニメーション初出演となる16歳の高月彩良さん。マーニーは、21歳の有村架純さん。2人とも300人のオーディションから選ばれた。他のキャストは、ベテラン揃いだ。作画監督は『千と千尋の神隠し』以来となる安藤雅司さん、美術監督は種田陽平さん。ジブリが総力をあげて作った最新作で、孤独のむこう側にある奇跡の出会いをぜひ体験してほしい。


■主な登場人物と声優のコメント
杏奈
声/高月彩良(たかつき・さら)
養母に育てられ、夏の間、海辺の村に住む夫婦のもとへ預けられることになった12才の少女。
「過去にトラウマを抱えた杏奈がマーニーと出会ってどんどん変わっていく姿をぜひ見てほしいです。二回、三回と見ていくうちにマーニーと杏奈のさまざまな感情を自分自身も実感していく、そういう感慨深い物語です。本当に何度も何度も見てほしいですね」

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