「おんふり」「あまんじゃく」とは? 日本人の情感あふれる雨の言葉たち

ダ・ヴィンチニュース / 2014年7月23日 12時0分

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『雨のことば辞典』(倉嶋厚、原田稔/講談社)

 今年も、夏がやってきた。夏といえば強烈に照りつける太陽。そして、かつての夕立、近年ではゲリラ豪雨なんてものが名物になりつつある“雨の季節”でもある。何処からか視界を覆うほどの大きい雲が突然姿を現し、「雨気」が辺りに広がっていく。ぽつぽつと「雨粒」が地面を叩くたびに「雨染み」が滲み、すぐに「雨糸」を引くほどに強くなる。静かに人間の喧騒を飲み込む「雨声」に、「雨蛙」の声が重なって聞こえてくると、「雨雨降れ降れ」と八代亜紀は歌い、母さんが蛇の目でお迎え嬉しいな。

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 というわけで、日本は雨の多い国である。日本全体の平均年間降水量は約1700ミリで、世界平均降水880ミリの約2倍。そんな「空の水道」が集中する日本には、それだけ「雨」に関係する言葉が多く存在するのも当然だ。上記の、ただ雨が降り始めたという風景を表現するだけでも、6つの雨に関係する言葉が使え、ついでに歌まで2曲歌える。そんな季節の移ろいと共に千変万化する雨と寄り添って生きてきた日本人ならではの、情感あふれる「雨」の言葉を紹介しているのが、『雨のことば辞典』(倉嶋厚、原田稔/講談社)だ。

 災害と恵みの2面性を持つ雨と付き合いながら暮らしてきた日本人、そのため雨を表す言葉には事欠かない。古く詩歌や、ことわざ、方言などから雨に関する用語を集めたこの本は、さながら「雨について考える辞書」だ。ただの字引としてではなく、「雨の降るしくみ」などのコラムや、エッセイ的な記述を取り入れ、読んでおもしろい雨の辞典になっている。

 同書の中からいくつか紹介しよう。あなたはどれだけ知っている?

○春夏秋冬と雨の彩り
春「雪解雨」
読んで字の如く。時期的に言えば、まだ雪が残っている冬の時期の雨だが、雪を溶かし植物の芽吹きを促進する雨なので、春の雨である。「雪消しの雨」とも呼ばれる。降るものと言えば雪しかない北国にとって、冬の間に積もった根雪を溶かす雨は、春の到来を告げる嬉しい雨なのだ。

夏「狐の嫁入り」
誰しも一度は聞いたことがあるだろうし、初めて聞いた時には何のことやらと頭を捻ったことだろう。同じ意味の言葉に「天気雨」や「日照り雨」などがある。空が晴れてるのに少しだけ雨が降りかかる現象、または逆に雨が降り続けている最中に一時的にさっと晴れ間が見える現象を言う、元は青森の方の言葉だとか。余談になるが、この世にはすり鉢や袖をかぶって井戸を覗くと、「狐の嫁入り」が見える土地があるとか。この場合、雨の話ではなくなるが、「狐の嫁入り」を見る方法があるというのは中々に興味深い。

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