短くて面白くてしっかり伝わる文章技術は「現代短歌」から学べ!

ダ・ヴィンチニュース / 2014年7月29日 11時0分

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『かんたん短歌の作り方 マスノ短歌教を信じますの?』(枡野浩一/筑摩書房)

“短歌”と聞いて、どんなイメージが沸くだろうか?

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古池や蛙飛び込む水の音
――否、これは“俳句”。五七五に季語が入る。ちなみに季語が入らない五七五は川柳。

人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける
――これは短歌。五七五七七で季語は要らない。『古今和歌集』に収められた紀貫之の歌。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
――これも短歌。言わずと知れた俵万智の恋の歌。おそらくこの歌が、日本で一番有名な“現代短歌”。

 紀貫之の歌と俵万智の歌の大きな違いは「文語体か口語体か」だが、現代短歌でも「~なり」「~かな」など文語体で書かれているものもあるので、現代短歌とは何か? と聞かれたら「現代に詠まれた短歌」というざっくりとした定義になるだろう。

 俵万智の歌を例として挙げたが、今回紹介したい本の著者は自称“世界でたぶん二番目くらいに売れている歌人”枡野浩一(一番はたぶん俵万智)。2000年に発売された『かんたん短歌の作り方 マスノ短歌教を信じますの?』(筑摩書房)で空前の現代短歌ブームを巻き起こした……かどうか定かではないが、本書はおそらく世界で一番分かりやすく面白い現代短歌の入門書。発売から14年の時を経て文庫化された(ちくま文庫)。

 枡野浩一の短歌は、“簡単な言葉だけでつくられているのに、読むと思わず感嘆してしまうような短歌”、その名も「かんたん短歌」。本書は『CUTiE Comic(キューティ・コミック)』(宝島社)という少女漫画誌に連載されていた「マスノ短歌教」を全文再現。枡野浩一が教祖、投稿者が信者となって、信者の短歌を元に教祖・マスノが「かんたん短歌」の作り方を丁寧に、時に厳しく指導する。

かんたん短歌の基本ルールは、たったの3つ。

1、あくまで五七五七七で!
2、いつもの言葉づかいで!
3、嘘をついてでも面白く!

 「マスノ短歌教」の活動を見てみよう。例えばある男性信者の歌。

「シタいだけ? それだけなのね」と吐(ぬ)かしてる まったくもっておっしゃる通りで

 一見、面白くて完成度の高いこの歌も、教祖は「短歌づくりのスタート地点に立ったところで走り終わっている」と指摘。「ここから走り始めて、これ以上遠くへ行けない、という地点を探るのが短歌づくり」なのだという。教祖の推敲案はこうだ。

したいだけ? それだけなのねと怒るなよ「ハイそうです」と言いそうだから
したいだけ? それだけなのとナジるのは「ちがう」と言ってほしいんだろう
好きなのはからだだけかと訊く君にそのとおりだと伝えるべきか
「セックスが目当て」だったらまだマシで今じゃそっちのほうも勘弁

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