酒を飲んで記憶をなくしても、家にたどり着ける理由とは? 飲みながら考えてみた「酒」と「脳」のアブナイ関係

ダ・ヴィンチニュース / 2014年8月19日 11時50分

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『記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか?』(川嶋隆太、泰羅雅登/ダイヤモンド社)

 お酒はすこぶる楽しい。あれは言っちゃいけない、こうしたらマズイなんて余計なしがらみから解き放たれ、自由な気持ちになれる。これなら、普段の固いアタマからでは出てこないアイデアがぽんぽん出てきて、仕事もスイスイ進むに違いない! なんて幻想を抱いたことはないだろうか。そこで、筆者は冷蔵庫からビールを引っ張り出し、お酒と脳の関係について飲みながら論じてみることにした。では、失礼して……カンパイ。

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 さて、問題はお酒を飲むと記憶がとんでしまうこと。しかし、気が付けば自分の布団の上に寝転がっているということが多い。私たちは記憶をなくしてどうやって家に帰っているのだろう? これに答えてくれているのが、その名も『記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか?』(ダイヤモンド社)。

 本書の著者で、脳の機能を研究する川嶋隆太氏、泰羅雅登氏によると、人間の脳には「脳ナビ」と呼ばれる優れた機能があるらしい。酔っぱらって記憶を作ることができなくても、このナビから帰宅経路を読み出して、酔った自分を家まで連れ帰ってくれるのだ。神経細胞「ナビゲーションニューロン」なるものが、通いなれた道の風景、視覚情報に対応して「この信号を右へ」といった指示を出す。あ~、そういえば、仕事でミスを犯してボーっとしながら帰っても、右に曲がるべき交差点を左に曲がることなんてない。上司への言い訳で頭をいっぱいにしながらも、家にいつの間にか到着してる。これと同じ?

 じゃあ、引っ越したばかりというとき、「脳ナビ」はちゃんと家に導いてくれるの? 川嶋サン、泰羅サンの答えは“NO”。日常的に使っているルートじゃなきゃ、ナビはうまく働いてくれないらしい。この場合は引っ越し前の家に帰ってしまう可能性があるとか。それに、団地とか似たような建物がたくさんあると、視覚情報から勘違いして、別の棟の同じ階の部屋へ行ってしまうことも。もしアパートやマンションで、上や下の部屋の住人が夜中にあなたの部屋のドアをこじ開けようとしたら、それは「脳ナビ」がうまく機能しなかった酔っ払いかも。

 …ということで、記憶がなくなったら困るという話だが、お酒が脳を満たしても、「脳ナビ」みたいに働いている機能があるわけで。

 でも、もちろん麻痺してしまう部分もある。例えば、ヒトの理性を司る前頭前野。このおかげで、私たちはまっとうな人間らしく、社会的生活を送ることができる。そんな中、お酒が入るといつもより口が回るという人も多いんじゃ? いつもなら「これを言っちゃあいけない」なんて考えてしまうことを、「ま、いっか!」なんて気持ちになってしまう。これは前頭前野が麻痺しているから。理性や道徳心、羞恥心などが抑えられて、より本能的な自分をさらけ出してしまうわけ。このために、酒好きの筆者は「調子にのるな」と先輩に罵倒され、酔いがさめた後何度恥ずかしい思いをしたことか…。

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