処女作にして大反響! 純情なヘンタイ女子たちの奇妙なラブストーリー!

ダ・ヴィンチニュース / 2014年10月7日 5時50分

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『女の穴』(ふみふみこ/徳間書店)

 “パラフィリア”という言葉をご存知でしょうか? 直訳すれば、性的倒錯という意味であります。厳密な解説は省きますが、まぁシンプルに言えばヘンタイさんのことです。一般的にはなんだかイケナイことのように感じますが、このパラフィリアの語源を見てみると実に面白い事に気が付きます。「パラ」は脇や横、「フィリア」は愛を意味するそうです。つまり、脇にそれた愛。ほんの少しそれただけの愛、と考えるとそれはそれでアリのようにも思います。むしろ、愛のない生活よりはよっぽど鮮やかな生き方なのかもしれませんし、そこへ向かう思いはある種純粋なのかも…。

【画像あり】『女の穴』中面をチェック

 『女の穴』(ふみふみこ/徳間書店)はそんな“純情なヘンタイさん”である女の子たちの生態を垣間見られる漫画です。

 舞台はとある高校。そこへ通う、様々な女の子がそれぞれ主役となります。子作りのために地球へきた宇宙人女子高生と教師の物語「女の穴」を始めとして、死んだ兄を人面疽として後頭部に宿す妹の兄への想いを描いた「女の頭」、ハゲでチビでデブで同性愛者の中年教師を“ブタ”として飼う女子高生を綴った「女の豚」「女の鬼」の4編からなるオムニバス短篇集です。

 さらっと概要を書くだけでもなかなかフツーではない感じですが、本作は女の子たちの一風変わった愛の形を描いたラブストーリー。

詩的な情感をほのかに漂わせつつも、強烈なインパクトをもった作品です。

「地球人の子供を作るよう命じられているので、自分と寝て欲しい」

 未だかつて、こんな台詞ではじまるラブストーリーがあったでしょうか。“各方面で大反響”は伊達ではありません。倒錯した少女たちのディープな危うい恋物語が主となりますが、決して重たくはなく、あっさりとした絵柄で爽やかな口当たり。“屈折”と言うと聞こえが悪いですが、反射する明るい光のように、少女たちは屈折しつつも力強くまっすぐ直進しているようにも思えます。

 著者にとって処女作品集だそうですが、驚くべき境地。本作と『恋につきもの』が立て続けに実写映画化されたのも納得です。
大胆な中に繊細さも持ち合わせるという、創作和菓子のような逸品。ぜひともご賞味アレ!

文=すぎやまなつき

ダ・ヴィンチニュース

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