櫻井孝昌特別講演『アイドルもアニソンも自分のビジネスに関係ないと思っていませんか?――第二次ジャポニスムのほんとうのところ――』レポート

ダ・ヴィンチニュース / 2014年10月25日 5時50分

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櫻井孝昌氏。講演にて

 アニメ・マンガ・コスプレ・アイドル…なぜ、日本発信のカルチャーは、こうも世界を魅了し続けるのか――そんなテーマを取り上げた未来フォーラム『アイドルもアニソンも自分のビジネスに関係ないと思っていませんか? ―第二次ジャポニスムのほんとうのところー』が先月末日、東京・御茶ノ水のビジネスハリウッド大学で行われた。

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 講演者は、コンテンツメディアプロデューサー、作家、デジタルハリウッド大学・大学院特任教授と、多方面で活躍する櫻井孝昌氏。外務省アニメ文化外交に関する有識者会議委員や外務省ポップカルチャー(ファッション分野)における対外発信に関する有識者会議委員等の役職を歴任し、世界25カ国のべ135都市で講演・ファッションショープロデュース等の文化外交を実施。アニメや原宿ファッションを用いた文化外交のパイオニア的存在だ。

 櫻井氏は、2008年に外務省とともにアニメ文化外交活動を開始し、2009年に「カワイイ大使」プロデューサーに就任。「“カワイイ”は21世紀になって、間違いなく一番広がった日本語」と、カワイイ大使発案の理由について語った。当初、霞が関はカワイイ大使の擁立に大反対だったが、海外プレスが味方につき、世界各国で大歓迎を受けることになった。

 ブラジルで“カワイイ”の熱狂的な出待ちにあったり、中国のイベントで握手攻めにあったり…日本のアニメやコスプレ、アイドルを愛する人々は、親日派で、日本のカルチャーをリスペクトしていて、日本の悪口など一切言わないという。毎年11月末には、極寒のロシアでイベントを行い、過去には自分のコスプレ姿で登場した若者に遭遇したことも。

「海外の人たちは日本のアニメやマンガとともに育っていて、そのカルチャーは、すでに根付いている。同じ価値観で互いを理解しあっているから、20年先、30年先に、政治的な問題についても、私たちが思いもつかないような結論を導き出してくれるかもしない」と櫻井氏。「日常はメディアで報道されにくいため、一人ひとりがジャーナリストとして、見てきたこと、聞いてきたことをTwitterやSNSで伝えてもらいたい。日本人はどんどん海外のイベントに参加すべき」。

 民族性や国民性の違いを発見できるのも、海外イベントに参加する醍醐味のひとつだ。
「中国語に訳された“月に代わっておしおきよ”の“おしおき”は、“処刑”という意味合いの言葉が使われていて、かなりコワイ印象」
「『進撃の巨人』のコスプレをする際、アジアのコスプレイヤーは手先が器用で凝り性だから“立体機動装置”をきちんと装着するけど、ヨーロッパ人はつけない人がほとんど。器用そうな印象のあるイタリアの少年に“立体機動装置つけてないじゃん。ダメじゃん”と声をかけたら“だって、作れない”と残念そうに言われた」
「フィギュアを見つめるオタクの背中は世界中どこへ行っても一緒。まさに“Otaku is Otaku”。この背中を見るのが僕は大好き」

 講演会の後半は、アイドル論へ。もともとロック青年だった櫻井氏がアイドルにはまったのは、モーニング娘。のヨーロッパ公演を観たのがきっかけ。プロフェッショナルなパフォーマンスと、その高いエンターテインメント性を目前にし、“日本のアイドル”の完成度の高さに衝撃を受けた。

「現代はネットがつくった第二次ジャポ二ズム。アニメやアイドルがウケるのは、日本にしかないものだから。日本にしかないものはちゃんと届く」と櫻井氏。

 11月2日と3日には、「日本のカルチャーを世界に発信したい」という同じ志をもったアイドルたちとともに『JAPAN POP CULTURE CARNIVAL 2014 in MATSUDO』を開催。影山ヒロノブ×LoVendoRや、スマイレージ×浜崎容子など、レアなコラボレーションが予定されている。

文=山葵夕子

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