必要最低限のモノで生きていく フランス人の生活に日本人は何を学ぶべきか?

ダ・ヴィンチニュース / 2014年11月22日 11時0分

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『フランス人は10着しか服を持たない パリで学んだ”暮らしの質を高める秘訣”』(ジェニファー・L・スコット:著/神崎朗子:訳/大和書房)

 衣替えの時期になるといつも「着る服が全然ない」と言ってはいないだろうか。タンスの中はたくさんの服であふれているにも関わらず、である。日本の女性の多くはたくさんの服を持っているだろう。それなのに、着ているのはいつも決まった服。他の多くはただのタンスの肥やしと化している。なぜこんな事態が起きるのか。

【画像あり】ワカメちゃんは今パリに住んでいる

 この問いに答えてくれるのは、『フランス人は10着しか服を持たない パリで学んだ”暮らしの質を高める秘訣”』(ジェニファー・L・スコット:著/神崎朗子:訳/大和書房)である。カルフォルニア生まれの著者が、フランス貴族末裔の一家にホームステイをして学んだことをまとめた1冊だ。

 フランス人というと何を思い浮かべるだろうか。よく、雑誌のスナップ写真で見る彼女たちは、みんなシックな服に身を包んでいてすごくオシャレだ。服だけでなく、暮らしそのものも洒落ている。そのフランス人がたった10着しか服を持ってないなんて、どういうことなのだろうか。

 本書で著者は、ホームステイ先の10着ほどの服しか入らない小さなクローゼットを目にして驚く。パリでは自分に似合う上質な服だけをほんの少し買い、長く大事に着ていくという考え方があるのだ。無駄な服は一つとしてないので、毎日悩むこともなく、すぐにコーディネートが決まるのだという。さらに、パリでは同じ服を週に何回も着ることが普通の習慣になっている。多くの服を持ちながらも「着る服が全然ない」と言っている日本人とは大違いだ。

 フランスの人たちが上質なものを好むというのは、服に限ったことではない。衣食住すべてにいえる。質の高い暮らしというのは、日常にささやかな楽しみを見つけて、それを楽しむこと。例えば、食事だ。

 フランス人は食事を大切に考えていて、家族との夕食ではテレビを見ずに今日あったことを語り合ったりする。フランス人家族は、食卓でこういう会話をするそうだ。

「このソースの決め手はヘビークリーム(乳脂肪分30~40%)よ」
「このタルトのアプリコットはとってもジューシーだね」
「そうね、このタルトはまた近いうちに作りましょう」

 日本人の若い女性なら、「ねえ、この料理何カロリーあるかな。たくさん食べたら太りそう」などと、愚痴めいたことを言うことだろう。フランス人は、カロリーの高い食事をとることを気にしたりしない。それで太ってしまうかもしれないが、間食をしないことや、適度な運動で挽回できるとポジティブに考えている。ダイエットに血道をあげている日本人女性とは大違いである。

 ここで、パリジェンヌの日常を描いた映画『アメリ』を観た人は思い出していただきたい。主人公アメリの楽しみは、マーケットで穀物の入った麻袋に手を突っ込むこと、サン・マルタン運河で石飛ばしをすること、それからクリーム・ブリュレの表面をスプーンで崩すことだった。こんな小さなことに幸せを見出すことが、パリのおしゃれで上質な生き方の秘訣なのかもしれない。

 日本には穀物の入った麻袋はないし、サン・マルタン運河もないけれど、同じようにささやかな楽しみを生活の中に見出すことは出来るだろう。そういうポジティブな習慣を身につければ、服装についても不満は少なくなり、選ぶことが楽しくなっていくのではないだろうか。

文=吉井あゆみ(Office Ti+)

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