叩かれても事故っても「自撮りを見せたい!」 現代人が自撮りしまくるその理由

ダ・ヴィンチニュース / 2014年11月29日 12時20分

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『病的に自分が好きな人』(榎本博明/幻冬舎)

 SNSに溢れる“自撮り”写真。“自撮り棒”なる専用アイテムも人気で、ブームは過熱する一方だ。そんな中、2014年に入ってからはついに自撮りを原因とする死亡事故が相次いで発生した(http://news.biglobe.ne.jp/international/0813/tec_140813_5063733670.html)。最近もアメリカ森林局が「野生の熊との自撮りは危険」と注意を呼び掛ける(http://www.cnn.co.jp/tech/35055956.html)など、危険を冒してまで自撮りに熱中する人が、世界中で増えている様子がうかがえる。

現代の病理「誇大自己症候群」 ―“普通の子”がなぜ凶行に走るのか

 日本で死亡事故は起きていないものの、たとえばアルバイト店員の不適切な写真投稿による炎上トラブルなどは、根を同じくするものと言えるかもしれない。こうした騒動を目にするたび、失うものの大きさになぜ思い至らないのか不思議に思う。社会的な立場や命を犠牲にしても惜しくないほどの吸引力が、自撮りにあるのか? そもそも、“謙虚”を美徳とするはずの日本で、注目を求める行為である自撮りがこれほど流行った背景には何があるのだろう? 自己愛に関する著書を数多く持つ心理学者・榎本博明氏に話を聞いた。

 ネット上で目立つチャンスを常に探している

 自己愛が強い人の特徴や行動パターンを分析した著書『病的に自分が好きな人』(幻冬舎)で、榎本氏は現代を「自己愛過剰社会」と表現している。その原因の一つが、安易に発信できる“道具”の発達だ。

 人は誰しも少なからず、注目されたい、認められたいという欲求を持っているが、昔は発信する権利を得るには努力が必要だった。本を書いたりテレビに出たりしたければ相応の実力を身につけ、他人の承認を得なければならない。インターネットの普及以降はその状況が一変し、誰もが発信力を持ったことはよく指摘されるが、同氏は「自撮りブームに直接寄与したのはスマホ、つまりデバイスの進化である」と考える。

「特に日本は、あからさまな自慢や自己主張を良しとしない文化。何かを自慢したい衝動に駆られても、パソコン時代なら帰宅するまでに冷静になって“みっともないからやめよう”と判断できましたが、スマホはいつでも衝動的に発信できてしまうため、冷静な判断を差し挟む間がありません。いわば“理性を通さない自己愛”がネット上に溢れ、人々がそれに慣らされて、自撮り公開への抵抗感も薄れたのが今の状況なのではないでしょうか」(榎本氏)。

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