「狩りガール」が増えている? 冬のごちそう「ジビエ料理」をもたらす猟師、その知られざる世界へようこそ

ダ・ヴィンチニュース / 2014年12月18日 11時40分

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『狩猟始めました 新しい自然派ハンターの世界へ』(安藤啓一、上田泰正/山と渓谷社)

 一般的には毎年11月15日から解禁となる狩猟。12月11日には東京カルチャー・カルチャー(お台場)で「クリスマス・ジビエナイト」が開催されるなど、近年はジビエ人気も盛り上がりを見せている。

山の四季、そしてゆるやかな日常が心にジンワリ気持ち良い

「最近はマタギの世界に心惹かれる若い方も多いようですね。狩猟免許を取る方も増えていますよ」と話すのは、新鮮なジビエ料理を提供する「猪鹿鳥」(東京・高円寺)のオーナー・山内茂樹さんだ。

 20歳から狩猟を始めたという山内さんは、今年で猟師歴49年になる大ベテラン。毎週日曜日になると、6~15人の猟師たちと神奈川県・丹沢の山に分け入ってイノシシやシカ、クマなどを仕留めるという。

 狩猟の魅力は「撃っても撃たなくても大自然と一体になれること。ひとたび山に入れば、都会では決して味わえない緊張感に身がひきしまります」と山内さん。実は、12月5日に刊行された『狩猟始めました 新しい自然派ハンターの世界へ』(安藤啓一、上田泰正/山と渓谷社)にも、こんな記述がある。

「狩猟で盛りを歩いていると五感が研ぎ澄まされてくる。だから大木の陰で静かに待ち伏せしているときには、動物が発する匂いがすーっと一筋流れてきて、数分から10分位以上も前に彼らの接近を察知できるときがある」

 一見ただの森に見える場所でも、わずかな手がかりから、動物たちのレストラン、ホテル、銭湯、病院、道路…といった情報をマタギたちは読みといている。そして、生活サイクルを思い描いて、動物たちを追うのだ。うーん、すごすぎるぞ、マタギ!!

 一方、55歳にしてピカピカの1年生猟師となったのが、ダ・ヴィンチ読者にはおなじみの、我らが北尾トロさんだ。トロさんは、今年8月に出た書籍『猟師になりたい!』(信濃毎日新聞社)で「やってみたいという気持ちだけで資格を取ったぼくは、フィールドに出るごとに猟が好きになっていく自分を発見した」とつづる。

「空気銃に狙いを定める」「必要経費はどのくらい?」「真冬の大決戦トロ対トリ」「大公開・鳥撃ち猟師’s7つ道具」など、馴染みのない世界に飛び込んだ驚きと感動の詰まったレポートがとにかく面白い。マタギを目指す人はもちろん、自然が好きな人にもぜひお手にとってほしい!

 同時に、ベテランマタギの山内さんいわく、狩猟の魅力を語る上では “獲物のおいしさ”も欠かせない。

「野生動物は四季によって味が少しずつ変わります。ウシやブタに比べると脂が少ない一方、鉄分やタンパク質などが豊富で、肉の味も濃いんです。なかでも、この時期にぜひ食べてもらいたい食材の一つがクマ! 冬眠前に栗や柿、山ブドウなどの山の恵みをてんこ盛りに食べていますから、脂がとても甘くておいしいですよ」(山内さん)

 クマ、シカ、イノシシ、カモ、キジ、ウサギなどといったワイルドな獲物をめぐるおいしい料理については、東京のOLが鹿肉料理をきっかけにハンターの世界へと足を踏み出す『狩りガールが旅するおいしいのはじまり 山のごちそうをいただきます! 』(あり、 新岡薫/講談社)、フルカラーで狩りから猟師料理を紹介する『マタギとは山の恵みをいただく者なり』(田中康弘/エイ出版社)なども必見だ。

 古くから、みんなの“ごちそう担当”だったマタギたち。彼らの本をめくっていると、思わずお腹がぐうぐう鳴り出す。山野を駆け巡るマタギになるには並々ならぬ覚悟と投資が必要だけれど…ワイルドなジビエ料理を味わいながら、その生き方に思いを馳せるのも楽しいはずだ。

文=矢口あやは

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