稀代の女性マンガ家、青池保子 満を持しての原画展が開催!

ダ・ヴィンチニュース / 2014年12月23日 11時30分

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『青池保子 華麗なる原画の世界―「エロイカ」から「ファルコ」まで』(青池保子/秋田書店)

 唯一無二。この言葉が青池保子の作品にはしっくりくる。面長の美青年像など、誰もが一目でピンとくる画風はもちろん、描かれる内容も独特だ。氏がデビューしたのは1963年の15歳の時。10年ほど『少女フレンド』の専属作家として、学園ものなどを手掛けていたが、本領が発揮されたのは、フリーに転身してから。76年に発表された異色コメディ『イブの息子たち』で、ドタバタ群像劇の才能を開花させ、また、『エル・アルコン-鷹-』など一連の海洋ロマンもので、緻密な歴史ものの道筋を開いた。既存の少女マンガの枠から超え、そこから唯一無二の世界観を広げていったのだ。こうした要素は、特に『エロイカより愛をこめて』に結実したといえる。個性的な登場人物達が巻き起こすドタバタの笑いと、社会情勢や歴史、美術の蘊蓄などが絡みながら展開する知的さの対比が絶妙なバランスで存在しているのだ。38年今なお続く本作に追随する作品は、過去も現在も思い当たるものがない。

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 京都国際マンガミュージアムでは、そんな青池保子の世界観を原画で振り返る大々的な個展を開催中である。約350点の原画が2会期にわたって展示されるが、色彩の妙、衣服の文様から馬の蹄の裏、城の壁のタイルまで、細かく拘りぬかれて描かれる一枚一枚は、思わず「ほぉ……」とため息が出るほど。しかし、本展は美しさを堪能するだけではない。各原画には作者のコメントが付いていて、それらは思わずクスっとなってしまうものばかり。そのおちゃめな対比も、青池ワールドならではだ。

文=倉持佳代子(『ダ・ヴィンチ』1月号「出版ニュースクリップ」より)

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