そこには“ドラマ“がある! 愛憎入り交じる女同士の関係を描いた『かげきしょうじょ!!』『王女の条件』の世界へようこそ!

ダ・ヴィンチニュース / 2015年10月28日 17時30分

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『メロディ』12月号(白泉社)

 女同士の関係というものは複雑だ。愛憎が表裏一体で、男子には踏み込めない領域があると思う。けれど、それゆえに、そこには「ドラマ」が生まれることも多いのだろう。そんな女子の世界は、マンガでもたびたびモチーフとされる。

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 今回は、少女マンガ誌『メロディ』(白泉社)にて連載中の『かげきしょうじょ!!』と『王女の条件』を紹介しよう。

 『かげきしょうじょ!!』(斉木久美子)は、「未婚の女子」のみが入学を許される、という伝統的な歌劇音楽学校を舞台にした作品だ。登場するのは、いつかステージに立つことを夢見る少女たち。同級生たちは仲間でもあり、ライバルでもある。そこに渦巻くのは、羨望や嫉妬といった言葉にできない感情ばかりだろう。

 主人公となるのは、身長178cmの問題児・渡辺さらさ。伝統を重んじる学園に置いて自由奔放な彼女の言動は、ときに周囲を驚かせ、呆れさせ、それでも前へと動かしていく。そして、もうひとりの主人公が・元国民的アイドル・JPX48のメンバーだった奈良田愛。元アイドルという肩書きを持つ彼女も、学園にとっては異端の存在だ。物語は、このふたりの少女を中心に展開していく。

 彼女らを取り巻く面々も個性豊か。歌劇団の女優の娘というプレッシャーを背負う者、周囲に遠慮して目立つ役柄をやりたがらない者…。それぞれ同じ目標を抱いているはずなのに、歯車がうまく噛み合わない。妙に苛立ったり、不自然に遠慮してしまったりするのは、現実世界の女子社会でもよくあることだろう。彼女らは、歌劇学校というさらに閉鎖的な世界で生きているため、それがより顕著だ。そんななかで、夢を目指し切磋琢磨する姿は、読み手をぐいぐい引き込むパワーを持っている。気づけば、登場人物の誰かに自己投影しながら、「わかるわかる…」とハマっているだろう。

 『王女の条件』(磯谷友紀)が描くのは、よりディープな「姉妹」の関係性だ。14歳の妹姫・ルアと16歳の姉姫・エストレーラ、というふたりの姉妹が、王位継承をめぐり、静かな闘いを繰り広げる。

 本作における、王位継承の条件とは、「女児を生むこと」。先にそれを達成した者が、新たな王座につく権利を得るというのだ。幼い頃からそのしきたりを言い聞かされてきたエストレーラは、自分が王になるため、早速子づくりに励もうとする。しかし、その相手に選んだ従兄・アフォンソは、すでにルアと恋仲に。それを知ったエストレーラは落胆し、自暴自棄になってしまう。

 一方でルアは、王位継承になどまるで興味がない。王の座は姉に任せて、自分は恋に生きようと憧れだったアフォンソに抱かれ、さらに外交官であるフェルナンドとも逢瀬を重ねてしまう。でも、それでいい。わたしは恋多き魔女として生きていくのだ。そんな矢先、ルアに妊娠の兆候が表れて――。

 今回紹介したふたつの作品は、それぞれ方向性は異なるものの、女子の本質を描いたマンガだと言えるだろう。いずれも「ドラマ」に満ち溢れた作品。女性同士の世界がいったいどういうものなのか、恐る恐る覗いてみては?

文=前田レゴ

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