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ツルハとウエルシアが経営統合へ向けて協議開始、売上高は2兆円超に

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年3月6日 20時59分

ツルハHDとウエルシアHDは経営総合に向けて協議を開始した。写真左からイオン吉田昭夫社長、ツルハHD鶴羽順社長、ウエルシアHD松本忠久社長

イオン(千葉県)、ツルハホールディングス(北海道:以下、ツルハHD)、ウエルシアホールディングス(東京都:以下、ウエルシアHD)は2月28日に資本業務提携を締結し、ツルハHDとウエルシアHDが経営統合に向けて協議を開始すると発表した。

ツルハHDとウエルシアHDは経営総合に向けて協議を開始した。写真左からイオン吉田昭夫社長、ツルハHD鶴羽順社長、ウエルシアHD松本忠久社長

2027年末までに最終合意

 イオン、ツルハHDおよびウエルシアHDが締結した資本業務提携について、業務提携の範囲は①店舗開発、調剤併設化等に関する相互協力、②商品や電力の仕入れ・開発等の相互協力、③物流効率化の相互協力、④決済・ポイントシステム・デジタルマーケティング・保険等に関する提携、⑤プライベートブランド(PB)商品の共同開発や相互供給の推進、⑥DX(デジタルトランスフォーメーション)・ECの推進等に関する相互協力、⑦経営ノウハウの交流、⑧フード&ドラッグ業態の研究と推進、⑨人材および人事情報の交流──の9点となっている。

 資本提携に係る合意は、①イオンはツルハHDの普通株式を追加取得し、ツルハHDを持分法適用関連会社とする、②ツルハHDとウエルシアHDは、ツルハHDを親会社としウエルシアHDを完全子会社とする株式交換の方法による経営統合を行う。なお、本資本業務提携契約の目的を達成するためのよりよい方法がある場合、合意のうえ、ほかの方法を採ることができる、③②の完了後、イオンはツルハHD株式に係る議決権割合が過半数以上51%未満となる範囲で追加取得することにより、イオンがツルハHDを連結子会社とする──の3点。3社は資本業務提携契約の締結以降、遅くとも2027年12月31日までに、資本提携に係る合意②③の取引について最終合意し、当該最終合意に係る契約を締結することをめざす。

 なおイオンはオアシス・マネジメント(香港)が運用するファンドからツルハHD株式約13.6%を1023億円で取得し、24年3月13日にツルハHDを持分法適用関連会社とする予定だ。

売上高2兆円超、5300店舗超のDgS企業誕生へ

 今回、イオン、ツルハHD、ウエルシアHDの3社は、日本のみならずアセアンをはじめとするグローバル規模において、人々の未病、予防、治療に従事し、健康寿命の延伸に貢献することにより、地域生活者のより高次なヘルス&ウエルネスを実現するため資本業務提携契約を締結し、経営統合の協議を開始することに至った。

 ツルハHDの23年5月期の売上高は9700億円、国内店舗数は2589店舗(うち調剤併設663、調剤専門187)。一方のウエルシアHDの23年2月期の売上高は1兆1442億円、国内店舗数は2751店舗(うち調剤併設2019)。経営統合後は売上高2兆円超、5300店舗超の日本最大のドラッグストア(DgS)企業となる。

 ツルハHD、ウエルシアHD傘下の事業会社の屋号について、2月28日の記者会見でツルハHDの鶴羽順社長は「基本的に変わらないものと考えているが、今後3社で協議、検討していきたい」と説明。ツルハHDがウエルシアHDを完全子会社化することについては、「スキームには確かに“上下” はあるが、あくまでも精神は対等だ。どちらが上か下かというよりも、この体制にすることによってよりシナジーを早期に発揮することがいちばんの目的だ」としている。

 なお、記者会見では、経営統合後の会社名変更の可能性、PB統合の可能性、そしてオアシス・マネジメントが保有するクスリのアオキホールディングス(石川県)株式についてのイオンのスタンス等の質問はメディアからは出なかった。

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