FT、インスタストーリー活用でトラフィック増に成功

DIGIDAY[日本版] / 2018年7月3日 6時50分

英経済紙フィナンシャル・タイムズ(The Financial Times、以降FT)は、2016年にインスタグラム(Instagram)におけるマーケティング戦略を刷新して以来、新たな層を開拓し、若いオーディエンスを着実に増やしている。刷新以降、インスタグラム・ストーリーズ(Instagram Stories)から同サイトへ飛べるようにしており、トラフィックを増やし、サブスクリプションにまで結びつけているのだ。

FTが投稿するストーリーは毎週2~4本。いずれも紙面掲載記事をベースにした1話完結型だ。以前、FTから聞いたところによれば、ビットコインや利率に関する議論など、一般に多くのクリップを要する濃厚なトピックのストーリーの完了率は50%だという。だがそれでも、FTが納得できるレベルに持っていくために、かなりの時間をかけている。

「インスタグラムはビジュアルヘビーなプラットフォームとして確立されており、そこで良いものを見せるには、相当な創造性と制作力が必要とされる。たいした時間を投資しなくても効果的なものができるFacebook投稿やツイートとはわけが違う」と、同社ソーシャルメディア部門トップ、ジェイク・グローヴン氏は語る。「インスタグラムは、優れた投稿を見ればわかるとおり、相当な時間をかけて取り組むべきプラットフォームなんだ」。

FTアカウントの特徴

ストーリーズ登場以前、インスタグラムのトラフィックはパブリッシャーサイトへの誘導に限られていた。だが現在は、英国営放送局BBCや米誌ナショナルジオグラフィック(National Geographic)といった大手メディアが続々と、それぞれのインスタグラム・ストーリーズに貼ったリンクを利用し、ニュースレターのサインアップフォームをはじめ、オーディエンスをなお一層深く取り込み、より効果的に収益化できる自社ページに呼びこんでいる。

また、FTの場合、ストーリーズだけではなく、通常のインスタグラム投稿もほかと一線を画している。紙面掲載記事に関連していないものが少なくないからだ。昨年、とりわけ反響の多かった同社の投稿10本のうち、記事とリンクしていたものは3本だった。なかでもとりわけ人気が高かったのが メーガン・マークル公爵夫人が英王室に「新風」を吹き込むことを予想したもので、13000近くの「いいね!」と150のコメントが寄せられた。

FTが日々投稿するフォトダイアリー――世界各地の絶景を紹介するインスタグラムの定番的活用に準じた手法――も好調で、たとえばガザ地区での戦闘を収めた写真には、6000の「いいね!」と400のコメントが寄せられた。さらに、FTのインハウスイラストレーターの手になるイラストや図表もエンゲージメント率が高い。FTがソーシャル用として独自に開発した背景の黒い図表は、プラットフォーム上で非常に目を引く。また、オーディエンスがそれらを後で見るためにユーザープロファイルに保存したかどうかも、アナリティクス機能によってわかるようになっている。

FT Photo Diary 📸: MAY THE 4TH BE WITH YOU — Star Wars fans dressed as Darth Vader and Chewbacca take a boat trip to the Skelligs on May 4, 2018, International Star Wars Day, in Portmagee, Ireland. The first ever Star Wars festival is taking place against the backdrop of the famous Skellig Michael island which was used extensively in Episode VII and Episode VIII of the popular science fiction saga. The small fishing village of Portmagee, which is closest to the location, has seen a boom in tourism following the latest films. The village will host a Star Wars drive-in and a Star Wars themed Irish dancing competition over the weekend. See more photos from around the world at FT.com/week-in-pictures 📷: Photo by Charles McQuillan/Getty Images #starwars #darthvader #chewbacca #fan #starwarsfan #starwarsfans #sun #island #summer #maythe4th #maythe4thbewithyou #maytheforcebewithyou #ireland #portmagee #portmageeireland #skelligs #skellig #skelligmichaelisland #irish

Financial Timesさん(@financialtimes)がシェアした投稿 – 2018年 5月月4日午後2時45分PDT

FTによる5月4日のインスタグラム投稿

エンゲージメントの深さ

現在、FTのインスタグラムフォロワーは70万人、Facebookフォロワーは400万人弱。だが、ソーシャルマーケティング企業ソーシャルベーカーズ(Social bakers)の調べによると、同社のインスタグラムアカウントは毎週、投稿1本あたり5000人単位でフォロワーを増やしている。これはひとえに、グローヴン氏がロンドン、ニューヨーク、香港に散らばる5人のソーシャルメディア担当スタッフと協力し、1日最大4枚の写真を定期的に投稿しているおかげだ。

調査会社ニュースウィップ(NewsWhip)のデータによると、2017年4月から2018年4月におけるFTのインスタグラム投稿に対するエンゲージメント――「いいね!」、「シェアする」、「コメントする」――の平均回数は2703/ポストで、Facebookのそれ(201回)を大きく上回った。一方、ほかの英ニュースパブリッシャーの場合は依然として、Facebookがもっともエンゲージメント数の多いプラットフォームとなっている。月平均でみると、FTのインスタグラム投稿に対するエンゲージメント数は、昨年7月以来、2倍増の30万に達している。

FB-IG

英紙ガーディアン(Guardian)とFTの場合、インスタグラムのエンゲージメント数がFacebookのそれを上回っている。出典:ニュースウィップ

Lucinda Southern(原文 / 訳:SI Japan)
Images: The Financial Times via Instagram

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