Facebook による「不正行為の検知」、その中身と実態:課題はユーザーの質か?

DIGIDAY[日本版] / 2018年9月4日 16時50分

ここ数カ月、Facebookの政治広告アーカイブや問題広告に関するポリシーに、メディア機関やマーケターはフラストレーションを募らせてきた。さまざまな苦情にも関わらず、Facebookのシステムは、他国が介入している「誤報キャンペーン」を排除することに、やっきになっている。

マーク・ザッカーバーグ氏やその他のFacebook幹部は2018年8月21日(米国時間)、記者との電話会見で、「組織的な本物でない行動(coordinated inauthentic behavior)」とFacebookが呼んでいるものについての最新の発見と取り組みを説明した。Facebookは、イランやロシアを起点とするインスタグラム(Instagram)アカウントのほか、652のFacebookページやグループを最近削除したことを明らかにしている。電話会談のなかでFacebook幹部たちは、不正行為を行う人間を表面化させるのに役立つ新製品をしきりにPRしていた。

Facebookの製品管理担当バイスプレジデントを務めるガイ・ローゼン氏は次のように語る。「我々の広告検証システムは、そのような動作主体が掲載しようとする政治広告にフラグをつける。こうした取り組みは、誤報やフェイクニュースの拡散を減らそうとする我々の進歩と連動している。別の言い方をすると、我々の新製品や改良されたシステムは、大規模かつ効果的に干し草の山を縮小させる機能を持つ。これによって、我々の調査チームはより効果的に特定の針をより分け探し出すことができるようになる」。

Twitterもまた同日、おそらくはイランを発信源とし、「組織的な情報操作に従事した」として284のアカウントを停止したと発表している。

プロアクティブ検知へのシフト

不正を働く人間が、実際に大量の広告インベントリー(在庫)を購入しているわけではない。ひとつのグループは12のFacebookページと55個のアカウント、9個のインスタグラムアカウントを持っていたが、Facebookが広告を検知することはなかった。しかし、誤報キャンペーンが存在し続けることは、Facebook上でのビューやエンゲージメントの信憑性に、少なからず疑問をもたらす。

デジタルエージェンシー、フルイド(Fluid)のデータ解析担当アシスタントディレクターであるリゲル・ケーブル氏はこう話す。「現実の人間にリーチできているのか、本物のインプレッションがもたらされているのか、我々にはわからない。一個人が複数のアカウントを作成したり複数のページを開設したりすることを防ぐために、アカウントの検証やその作成ステップはもっと厳格にしなくてはならないし、使われていない、あるいは活動のないアカウントは一定期間後に停止されるべきだ」。

Facebookはこれまで、情報操作や詐欺行為についての透明性を高め、それらと戦うためにより多くの人的リソースを注ぎ込んできた。こうした取り組みのなかには、広告透明性ツールの作成、広告の監視にあたる人間の雇用、記者との電話会見の定期開催が含まれる。

ザッカーバーグ氏は、電話会見用に事前準備されたメッセージのなかで、「以前にも話したとおり、セキュリティは完全に解決できる問題ではない。敵は頭がよく、資金も豊富に持っているので、我々は常に改良を重ねて、彼らの先を行かなくてはならない。そして、我々が進めてきたリアクティブ検知からプロアクティブ検知へのシフトは、大きな変化だ」と述べた。

エージェンシー幹部らは支持

エージェンシーの幹部たちは、そうした組織的攻撃に対するソリューションを支持している。UMのグローバルブランドセーフティ担当オフィサーであるジョシュア・ローコック氏は、政府や政府の支援を受けるセキュリティー機関とブランドセーフティについてFacebook上で議論していると話す。

「ヘイトスピーチやテロは間違った行為だということで我々は合意している。では、我々はどのような圧力をかけることができるか? 我々は知恵・知識、広告業者の関心、使うお金を共有し、利用している」と、ローコック氏はいう。

ローコック氏にとって圧力とは、広告の引き上げだけではなく、ターゲティングのようにFacebookが加えている広告関連の変更でもある。Facebookは8月21日に、自社の「アドマネージャー(Ad Manager)内で5000以上のターゲティングオプションを削除した。Facebookはこのニュースを、誤報キャンペーンに関するニュースとは別に発表している。オプションの大半は排除するためのもので、これを使えば広告業者は、ターゲットにしたくないグループを選択できる。

「業界として、我々が歩調を合わせられる方法はターゲティングに関することだ。我々は『このターゲティングは広告主が求めているものか?』と問う。OKでないなら、排除してしまおう。そうすればビジネスに害が及ばないのだから」と、ローコック氏は語った。

Kerry Flynn(原文 / 訳:ガリレオ)

 

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