モールブランドとして生き残る:バス&ボディー・ワークスの戦略構築方法

DIGIDAY[日本版] / 2019年6月12日 8時50分

ほかのショッピングモールブランドが相次いで倒産するなか、バス&ボディー・ワークス(Bath&Body Works)は同じ運命をなんとか回避している。

フレグランスとパーソナルケアを扱うこのブランドの売上成長は、同ブランドのキャンドル事業を隣り合う別店舗に分ける店舗リフォームの成功、購買客に絶えず店舗に戻ってきてもらうために頻繁に改良される商品、そして顧客の平均注文金額を上げるよう促す販売促進戦略の成功によって支えられている。

同社の親会社であるLブランズ(L Brands)は5月23日、第1四半期の業績を発表し、バス&ボディー・ワークスの既存店売上高が前年同期比で13%増加したものの、会社全体としては横ばいであると報告した。LブランズのCFO、スチュアート・バーグドアーファー氏は、バス&ボディー・ワークスの成功は、「エモーショナルなコンテンツで差別化された商品を提供している」ことに起因しているとしている。前四半期の同ブランド売上の18%はオンラインによるもので、前年の比率は14.7%だった。

大量販売を促す戦略

これまでのところ、バス&ボディー・ワークスはJCペニー(JC Penney)やシアーズ(Sears)のようなデパートから子供服のジンボリー(Gymboree)や女性アパレルブランド、シャーロット・ルース(Charlotte Russe)のような専門店に至る、ほかのモールブランドと同じ運命を辿らずに済んでいる。ショッピングモールに人が集まらなくなっているのに、これらのブランドは、消費者がより合理化されたインストア・エクスペリエンス(実店舗内での経験)を好むようになっているのに、人々を店舗に集めるための期間限定セールにあまりにも頼りすぎて、店舗の在庫を十分に削減することに失敗した。

「彼らのウェブサイトは視覚的にすごく魅力的だ。香水やパーソナルケア商品をオンラインで売ることは難しい」と、カンターコンサルティング(Kantar Consulting)のリテールアナリスト、ティファニーホーガン氏は述べる。

オンラインのホームページ上で同ブランドは、香水やローションではなく、キャンドルを主力商品においている。ホームページ上でディスカウントを目玉にしながら、顧客の購入金額を高くするための機会としてキャンドルを利用している。たとえば、半額セールではなく、ひとつ買うとふたつめが割引になるといった具合だ。グローバルデータ・リテール(GlobalData Retail)のマネージングディレクター、ニール・サンダース氏は、バス&ボディー・ワークスは大量販売の促進を重視したディスカウントを上手く利用しており、「結果として顧客がさらにたくさん購入するので、利益率に貢献している」という。

商品差別化と店舗設計

バス&ボディー・ワークスの店舗やウェブサイトのもうひとつの重要な差別化要因は、夏、秋、冬、春を念頭に置いて考案された特定のキャンドルや香水を宣伝する季節性を強調することだ。季節性の高い商品は、長く日持ちする商品を求める消費者を店舗から遠ざけてしまうリスクがあることを、一般的な小売業は気にする。それに対して、バス&ボディー・ワークスは、季節性を重視することが顧客をそのサイトや店舗に引き戻し、新しいものを見つけてもらうことに役立つと述べている。バス&ボディー・ワークスのCEOニック・コー氏は、昨年の第1四半期の業績発表で、2017年は季節ごとに商品を入れ替えることへの依存度を実際に下げようとしたが、消費者は季節ごとの商品の入れ替えを望んでいたことが、のちに明らかになり、結局、逆戻りすることになったと述べた。

バス&ボディー・ワークスはまた、店舗リフォームにも投資している。2016年頃から、バス&ボディー・ワークスの店舗をふたつの異なる店舗のように見えるように分割するホワイト・バーン(White Barn)と呼ぶリフォームプログラムを開始した。片方はキャンドルを扱うホワイト・バーンブランドに、他方はローションとフレグランスを扱うバス&ボディー・ワークスに分けられた。この戦略は、ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)の排他的なブランドが人気を失う前に、一時的にヴィクトリアズ・シークレットとカジュアルラインのブランドであるピンク(Pink)でうまくいっていた。この戦略はブランドをふたつの別々の店舗展開であるかのように見せて、それぞれのスペースでより長く過ごすように消費者たちを促している。

昨年の時点で、コー氏は、ホワイト・バーンプログラムの一環として1600強の同ブランド店舗のうち600を超える店舗がリフォームを受けていると述べ、Lブランズは2019年、ホワイト・バーンプログラムの下でさらに約200店舗をリフォームする計画を立てていると述べた。

顧客体験重視が奏功

この先を見据え、たとえ親会社のトラブルが足を引っ張ったとしてもバス&ボディー・ワークスは将来的に好位置につけている。調査会社であるモーニング・コンサルト(Morning Consult)は、バス&ボディー・ワークスは特にZ世代の買い物客のあいだで引き続き高い人気を維持していると述べている。同社が5月4週はじめに発表したZ世代の買物客に関する世論調査で、バス&ボディー・ワークスはZ世代の女性のあいだで4番目に人気のあるブランドであることが判明している。

「バス&ボディー・ワークスブランドを築き上げてきた素晴らしい口コミ手法を彼らは持っている。彼らは顧客体験を重視しており、顧客に購入してもらった場合は、きちんとその関係を育む」と、モーニング・コンサルトのコンテンツバイスプレジデント、ジェフ・カートライト氏はいう。

Anna Hensel(原文 / 訳:Conyac)

 

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