アリババ 、米国で Amazon との違いをアピール:NRFのイベントで語ったこと

DIGIDAY[日本版] / 2020年1月22日 8時50分

中国EC大手のアリババ(阿里巴巴)は、決して口にはしないものの、自分たちが単なるAmazonの中国版ではないことを米国の企業に知ってもらいたいと考えているようだ。

アリババは1月14日、全米小売業協会(The National Retail Federation:以下、NRF)がマンハッタンで開催した大規模イベントで、D2C(Direct to Consumer)シューズブランドであるオールバーズ(Allbirds)のエリック・ハスキル氏とともにパネルディスカッションを行った。表向きのテーマはブランドが中国市場に参入する方法だったが、議論の大半がAmazonを意識したものであったことは間違いない。

Amazonに公然と反旗

このディスカッションで、アリババのBtoCマーケットプレイス「Tモール(天猫)」のファッションおよび高級品部門責任者を務めるクリスティーナ・フォンタナ氏は、「(アリババは)ブランドが消費者に直接語りかけることができるテクノロジープラットフォームとサービスを築いている」と語った。そのうえで同氏は、自分たちのプラットフォームを利用する小売企業にデータを提供したり、商品を宣伝できるさまざまな機会(ライブストリーミングや「独身の日」イベントなど)を提供したりしていることを強調した。フォンタナ氏の言いたいことは明快だ。すなわち、中国は「世界最大の小売市場」であり、アリババはその市場にアクセスするための確実な手段というわけだ。中国のアクティブユーザー数は、現時点で7億7500万人を超えている。

アリババがオールバーズというブランドをパネルディスカッションの相手に選んだことは注目に値する。オールバーズは、米国で有力なD2Cブランドとしてその名を知られるようになった企業だ。また、Amazonに出店するのを頑なに拒んできた。そればかりか、Amazonのことを、自分たちのデザインを真似るばかりでサステナビリティ(持続可能性)を追求する姿勢は見せないと非難している。

一方、米国を本拠とするeコマース大手のAmazonは、できるだけ多くの小売企業を受け入れようとしてきた。ただし、自社のプラットフォームにブランドを引き寄せることに注力しながら、顧客データをほとんど提供せず、競合する自社ブランド製品さえ開発している。だが、北米でのAmazonの普及度を考えると、多くの企業にとってAmazonでのプレゼンスは欠かせない。もっとも、オールバーズやナイキ(Nike)のように、Amazonに公然と反旗を翻している企業もある。

アリババを選んだ理由

Amazonにこうした問題があることには関係なく、オールバーズは最終的に、中国でビジネスを展開するためにアリババへの出店を選択した。「Tモールにプレゼンスを持たないという選択肢は考えられなかった」と、オールバーズでインターナショナル担当プレジデントを務めるハスキル氏はいう。「(Tモールでは)オールバーズのエクスペリエンスに欠かせないルックアンドフィールを構築できている」。

アリババにとって、オールバーズとの提携は、米国でのビジネスに弾みをつけるための戦略の一環だ。アリババはすでに、米国で小売業者向けのB2Bプラットフォームを立ち上げている。また、それより前の2019年夏にも、自社サービスへの認知度を高めるために、大規模なマーケティングとPR活動を実施している。

Amazonという存在があるなかで、この両社の提携はある程度理に適ったものだ。実際、オールバーズが中国に進出するにあたってアリババのプラットフォームを利用する決断を下したことは、より大きな変化が起こる前触れかもしれない。これまで、デジタルネイティブブランドはもっぱらD2Cビジネスを手がけてきたが、スケールを拡大するには戦略的な小売パートナーシップの構築が欠かせないと考える企業が増えている。また、中国は多くの企業にとって未開拓の市場だが、入り込むのはきわめて難しい。ハスキル氏によれば、Tモールに参加するまで「中国での(オールバーズの)ブランド認知度は、比較的どころかきわめて低かった」。Tモールへの参加は、自社のことを知る人々を増やすために欠かせない取り組みだったとハスキル氏は結論付けている。

「ブランドを支援するため」

持続可能な成長への道筋を描くためにサポートを必要とするブランドはこれから増えるはずだが、Amazonは今後も小売業者にとって注目すべき存在であり続けるだろう。

そのため、アリババは米国で、小売業者に伝えるメッセージを微妙に変化させているようだ。具体的には、参入が難しい中国市場を開拓できるという点ではなく、ブランドと緊密に連携できるという点をアピールしている。

「アリババは、ほかのeコマースプラットフォームとは違う」と、フォンタナ氏はAmazonを念頭に置いたかのように発言した。そのうえで、「我々が実際に何かを販売することはない」と述べ、自社ブランドの製品を開発しているほかのeコマース企業に言及した。「我々が開発しているものはすべて、ブランドを支援するためのものだ」。

Cale Guthrie Weissman(原文 / 訳:ガリレオ)

 

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