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おやつの定期便「スナックミー 」、LINE広告でCVが8.4倍に : 右肩上がりの成果を支える「検証」の中身

DIGIDAY[日本版] / 2021年9月10日 8時50分

この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、小売業の変革の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。

日本のD2Cブランドにとって、LINE広告は欠かせない要素のひとつだ。たとえば、お菓子のサブスクリプションサービス「スナックミー(snaq.me)」は、LINE広告を本格運用してから半年で、獲得数が8.4倍と飛躍的に伸びたという。

2016年3月にローンチされたスナックミー、そのコンセプトは「おやつの定期便」だ。菓子を単に「モノ」として届けるのではなく、おやつの時間を楽しむ「おやつ体験」を届けることに注力している。おやつに対するリクエストや評価によって、顧客の好みを自動で分析・セレクト。そのため、次に届けられるおやつボックスには何が入っているかわからないワクワク感が受けている。また、サービスを長く続けるほど、より自分好みのボックスになっていくのも人気の秘訣。着色料や保存料、食品添加物を使用しないナチュラルな製法にこだわっている点も支持される一因だ。

サブスクリプションという特性もあり、スナックミーがマーケティングを行う上で大切にしているのは、「解約率を抑え継続率を伸ばすことで、LTV(ライフタイムバリュー)を高める」こと。継続率と新規登録数のふたつをマーケティングのKPIとしているが、継続率を優先させるという軸はぶらさない。「継続率を伸ばすことでLTVを増やすとともに、新規獲得数をどんどん増やしていく。その掛け合わせで、売上や利益を最大化している」と、スナックミーのマーケティングディレクターを務める尾﨑敬祐氏は、LINEが2021年8月24・25日に開催した「LINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND & DIRECT」で語った。

スナックミーでは、LINEの公式アカウント、広告、そしてプロモーションスタンプを導入しているが、顧客獲得をおもに担っているのがLINE広告だという。2020年5月に本格運用しはじめたが、キャンペーン構造の見直しや最適化によって、CVR(コンバージョンレート)やCPC(クリック単価)とともに、CPA(顧客獲得単価)が改善。さらに、ユーザーリストを活用した類似配信を行い、ターゲットを拡大した。

CV(コンバージョン)数はその頃から2.7倍と増加傾向を見せはじめ、2020年11月にはCV数が26倍と大きく伸張。右肩上がりの成長にも見えるが、「うまくいかない時ももちろんあった。ただ、LINEは非常に大きな媒体で広告在庫も豊富だ。『うまくいかないはずがない』という自責思考で、クリエイティブをはじめ、検証や改善を徹底的に繰り返した」と振り返る。

LINE経由の顧客は年齢層が幅広くLTVも高い

スナックミーでは、デモグラフィックを中心としたターゲティング配信、オーディエンス配信、そして、スナックミーの会員データを活用した類似配信と、おもに3種類のLINE広告を配信しているが、尾﨑氏は「デモグラフィックを中心としたターゲティング配信だけでも費用対効果が十分出ている」と評価する。その理由のひとつが、「獲得できるユーザーの年齢層が幅広いこと」だという。スナックミーのコアターゲットである20〜30代を獲得しつつ、他媒体では獲得できてない高年齢層も獲得できているため、それが全体のCV数の底上げにつながっているのだ。「LINE広告を経由したユーザーは年齢層が高い人も多いため、LTVもニアリーイコールで高い傾向がある」という。

LINE広告は、CPAについても効果を見せている。「ダイレクト広告だけを配信していると、マーケティングファネルが先細りして、CPAが悪化する」ため、認知のための広告配信も適宜実施しているというが、「昨年11月、LINEとA社の両方で動画プラットフォームを使った認知施策を行ったが、LINE広告の場合、前月と比較してコンバージョン数が3.1倍伸び、CPAは26%ほど削減できた」という。尾﨑氏は、「A社も決して小さくない主要媒体だが、大きく差が出た結果となった。獲得したユーザーを購買に結びつける受け皿としても、LINE広告は必須になっている」と話した。

月間の媒体別獲得件数を見ると、現在LINE広告からの獲得数は最大で34%。LINE広告による獲得数は従来、全体の5%ほどに過ぎなかったが、LINE広告を本格運用してから半年で8.4倍と飛躍的に伸びたのだという。

自社で検証するメリット

尾﨑氏はLINE広告について、「スナックミーの広告獲得ポートフォリオの欠かせない柱」と見るが、こうした効果を引き出すための運用・改善の具体的な方法についても語った。「運用型広告で重要なのは、ビッティング(入札)、ターゲティング、クリエイティブの3要素だと考えるが、その中でもクリエイティブの影響は非常に大きい」。クリエイティブやLP(ランディングページ)の制作を自社で行い、検証・改善を繰り返すことで得た、独自のティップスを披露した。

たとえばバナーは、プロが撮影したような美しいビジュアルのバナーよりも、ユーザーが撮影したいわゆるUGC風のバナーの方がCTR、CVRともに高い結果が出たという。尾﨑氏は、「あくまで仮説だが、配信面がLINE NEWSだった場合、UGC風のバナーの方が違和感がなく、遷移先にレポート記事があることを期待させることができるのではないか。ニュースサイトの写真は、刹那的に切り取られた場面が多いため、プロが撮影したようなバナーは浮いてしまうのかもしれない」と分析。「CVRに関しては大きな差はなかったが、UGC風のバナーの方はCTRが3.6倍ぐらい高かったため、結果的にCPCが安くなり、CPAも安くなった」という。

またタイトルについては、「毎月届く、自分専用おやつの定期便」と「私がコンビニのおやつを買わなくなった理由」という2種類を比較した。前者は、サービスの機能を中心とした機能訴求で、後者は、その機能を利用した後の利点を謳ったベネフィット訴求だ。結果は、ベネフィット訴求の方が効果が高く、CVRに2倍ほどの差が見られたという。「ベネフィット訴求のいい点は、サービスを利用するシーンをイメージしやすいところではないか」と尾﨑氏。「ベネフィット訴求型の広告を作るのは、機能訴求に比べてとても難しい。だが、ユーザーインタビューや顧客の嗜好を探り、できるだけ多くのタイトルを検証していくことで、成果につながった」という。

尾﨑氏は、「クリエイティブの検証はおもにCTRに大きく影響し、タイトルの検証はおもにCVRに大きく影響することがわかった。もちろんどちらも必要なので、改善したい目的を見定めて手を打っていくことが大事だと思っている」とも話した。

コンテンツ型LPより商材紹介型LPが有効

LPについても興味深い結果が得られた。商品紹介を少なくして読み手に楽しんでもらうことを狙ったコンテンツ型LPを制作したが、「もうひとつ用意した、商品紹介をメインとしたLPの方が数値的にはよかった」のだという。「ファネルの初期段階の層を狙い、コンテンツ要素の強い記事を配信してみたのだが、商材についてのLPに遷移する前に離脱してしまうことが多かった。結果的にCTRはいいが、CVRがついてこないといったことが起きてしまった」。

さらに、LPについての独自のティップスを紹介した。「配信し続けているとどうしてもユーザーが飽きてしまうので、できる限り変化を持たせる必要だ。毎回ゼロから作るのは大変なので、シーズンやプロダクトのアップデートに合わせて画像だけ新しいものに変えるといった工夫をしている。画像を変えるだけでも数値が回復してくることが多い」と尾﨑氏。「ただし、『飽きる』という指標は抽象的で定義しづらい。そのため、数値にこだわるというよりは、小さくても変化がある状態を維持することが成果につながっていくものと考えている」。

「知り合いに教えたくなるには?」を常に考える

自社でクリエイティブやLPを製作しているため、効果検証による深い考察が可能となり、ナレッジもたまっていく。それがコンバージョン数の拡大にも大きく寄与している。

「既存のお客様がスナックミーのことを知人に教えたり、SNSで紹介したいと思ってもらえるマーケティングをやっていくことが大前提」だと語る尾﨑氏。広告クリエイティブを製作する際も、「どういう配信面なのか、どういう人にターゲティングしたいのか、を意識することが重要だと考えている」という。さらに、「検証や改善を行う際は、企業側本位にならず、ユーザーが必要とする情報や、ユーザーが求めるものへの架け橋になるようなマーケティングを心がけている」と語った。

Written by:戸田美子
Photo from snaq.me(TOP画像)、LINE(本文中)

※ 記事公開後、LINEから指摘が入り、「CPMも安くなった」という表現を「CPAも安くなった」に改めています。ご了承ください。

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