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在宅勤務 で、いかに従業員の「健康」を維持するか?:米・エージェンシーたちの取り組み

DIGIDAY[日本版] / 2021年11月3日 12時0分

我々はすでに、在宅勤務が心の健康に与える影響を理解している。我々の半数近くがリモートワークの不安に悩まされているという調査結果もある。

これまであまり注目されていなかったのが、在宅勤務が身体の健康に与える影響だ。

保険会社のブリーズ(Breeze)が最近行った調査によれば、不安や抑うつだけでなく、疲労、身体の痛み、頭痛、消化器の異常、高血圧などの身体的な不調も労働者の懸念事項になっているという。

すでに報告されているように、デスクワークなどで長く座り続けると、肥満、高血圧、血糖値の急上昇といった健康問題を引き起こす可能性がある。我々の多くは今、自宅でこれまで以上に長く座り続けている。

保険会社チャブ(Chubb)のレポートによれば、在宅勤務は反復性ストレス障害や人間工学的な負傷も引き起こす。休憩も取らずに長く働いていること、身体に優しい職場環境を構築できていないことが原因だ。

我々はかつて、自転車や徒歩で通勤したり、少なくとも1日中オフィスを歩き回ったりしていたが、今や何時間もSlackやZoomの画面に向かっている。

そのため、広告会社やテクノロジー企業は従業員に立ち上がって動くよう働き掛けている。

「従業員の健康を優先させる」

ピッツバーグの広告エージェンシー、ブラナー(Brunner)のプレジデント、スコット・モーガン氏によれば、従業員が仕事中に身体の健康を維持できるよう、コンピューターのモニターを大きなものにアップグレードしたり、スタンディングデスクを導入したりするためのリモートオフィスサポートを用意しているという。また、ジムやヨガクラス、マッサージの費用も支援している。さらに、昼食や学校の送り迎えの時間に会議を行わないなど、従業員に無理をさせないよう努力している。

「オフィスで働いているか、自宅で働いているか、ハイブリッドな働き方をしているかにかかわらず、チームメンバーには仕事以外の生活があることを理解し、彼らの健康をあらゆる面から支えようと務めている」とモーガン氏は話す。ブラナーはホーム・デポ(The Home Depot)、センソダイン(Sensodyne)などの顧客を持つ。

ホームオフィスの環境が悪く、首や背中の痛みを訴える従業員が相次いだことから、サンフランシスコのアドテク企業クワントキャスト(Quantcast)は人間工学に焦点を当て、身体的な問題を回避する方法についてのウェビナーを開催したり、リソースを共有したりすることにした。さらに、リモートワークに適した環境をつくってもらうため、250ドル(約2万8000円)の手当を支給している。

同社の最高人材・空間責任者、バレリー・ジャンガー氏は「従業員に余計なストレスを与えないためには、組織が心の健康に加えて身体の健康を優先させることが重要だ」と話す。具体的には、健康問題を含む個人的な問題に対処するための休暇を設けたり、ヘッドスペース(Headspace)、ジンジャー(Ginger.io)などのアプリをはじめとするリソースを提供したりしている。

「従業員と緊密な関係を築く」

BNYメロン(BNYメロン)、ウォールストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)などの顧客を持つニューヨークのエージェンシー、サマー・フライデー(Summer Friday)のプレジデント、ロブ・シモン氏は、在宅勤務が始まって最初の数カ月は、我々の多くが運動習慣を身に付け、屋外に出る機会はむしろ増えたが、パンデミックが長引くにつれて、身体の健康への関心が徐々に薄れていったと分析している。また、画面を見ている時間が増えるにつれて、ストレスとアルコールの摂取量も増加し、食事に慰めを求めるようになったとシモン氏は指摘する。

そこで、サマー・フライデーは個別のウェルネスクレジットプログラムを導入し、特定のニーズを持つ従業員や改善の機会を必要とする従業員のため、マネージャーが専用の予算を使うことができるようにした。あるケースでは、デザイナーが特注のスタンディングデスクを設置するために予算が投じられた。腰痛に悩む従業員のため、理学療法士に協力を求めたケースもある。

「最初は積極的に助けを求めない人もいるだろう」と、シモン氏は話す。「しかし、時間とともに、このプログラムは成長し、助けを求めることを恐れない従業員と緊密な関係を築くことができる。それこそ我々が奨励していることだ」。

サマー・フライデーはまた、歩数を競うウェルネスチャレンジなども開催している。さらに、クライアントとの調整が必要だが、休暇は無制限で、強制的な休暇もある。

「前向きに充電するための休息を」

ミルウォーキーのエージェンシー、ハンソンドッジ(Hanson Dodge)は10月20~22日の3日間にわたってオフィスを閉鎖し、人々が仕事から離れ、リラックス、充電するための「HDアンプラグド(HDUnplugged)」を企画した。ハンソンドッジの最近の仕事には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンキャンペーンのヘルシーMKE(Healthy MKE)、ミルウォーキー医科大学のリブランディングなどがある。

同社でタレント、オペレーション担当バイスプレジデントを務めるケリー・クラウォン氏は「この20カ月、我々の従業員は仕事でも、多くの場合、家庭でも、頻繁な変化に適応する能力を示し続けてきた」と話す。「それが容易でないことはわかっている。HDアンプラグドは仕事のサイクルから離れ、前向きに充電するために切望されていた集団的な休息だ」。

従業員の健康に対する総合的なアプローチは、サンフランシスコのクリエイティブエージェンシー、イレブン(Eleven)の目標でもある。イレブンは従業員の心身の健康を促進するため、保険の給付を充実させたり、年単位の手当を導入したり、カーム(Calm)、ブライト(Bright)のようなアプリのサブスクリプションを提供したりしている。人材部門を率いるハイディ・タグリオ氏は「セルフケアを贅沢ではなく優先事項にすることは、エージェンシーのリーダーである我々の仕事だ」と語る。イレブンはサムスン(Samsung)、キャスパー(Casper)といったブランドの仕事をしている。

「思いやりを持って指導する」

一方、ニューヨークの広告エージェンシー、オーガニック(Organic)で人材、文化担当ディレクターを務めるダニエル・シャーマン氏は、リーダーたちが1対1、グループの状況確認に真剣に取り組むことで、個人のニーズに耳を傾け、課題を認識したうえで対処し、勝利を祝うことができるようにしていると話す。ナショナルインスツルメンツ(National Instruments)、エル・ポロ・ロコ(El Pollo Loco)などが顧客に名を連ねるオーガニックはまた、従業員がしっかり休み、仕事に集中できるよう、休暇を取ることを推奨している。従業員に休息が必要だと判断した場合、金曜日の終業時刻を早めることもある。

「リモートワークの影響は人それぞれだ。それぞれの体験を考慮するため、我々のリーダーは意図的に、一貫して、繊細さと透明性、思いやりを持って指導している」とシャーマン氏は語った。

[原文:How WFH is taking its toll on our physical wellness]

TONY CASE(翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:長田真)

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