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【東京医科大学】炎症性腸疾患のヒト腸内細菌・ファージ・真菌の同定と世界共通性を発見

Digital PR Platform / 2024年11月29日 20時5分

【今後の展開】
 この結果から、我々が同定した潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD)に関連する腸内細菌、ファージ、真菌の特徴は、日本人に限らず、世界の炎症性腸疾患(IBD)患者に共通するものでした。すなわち、日本と世界で共通するIBD関連のヒト微生物種を同定したことになります。この結果は、微生物種を介した病態解明の研究を加速させるだけでなく、微生物種とそれらの相互作用をターゲットとした診断や治療法の開発が、国や地域に依存せず広く適用できる可能性を示唆しており、重要な基盤知見を提供したと言えます。

【論文情報】
タイトル:Multi-biome analysis identifies distinct gut microbial signatures and their crosstalk in ulcerative colitis and Crohn's Disease
著  者:Akiyama S, Nishijima S*, Kojima Y, Kimura M, Ohsugi M, Ueki K, Mizokami M, Hattori M, Tsuchiya K, Uemura N, Kawai T, Bork.P, Nagata N*.
(太字:Equal Contribution / *:責任著者)
掲載誌名:Nature Communications
DOI :doi.org/10.1038/s41467-024-54797-8

【用語の解説】
*1 潰瘍性大腸炎(UC: ulcerative colitis)
炎症性腸疾患に分類される原因不明の慢性腸炎。食事や喫煙などの環境因子や遺伝的因子などの複数の要因が関連し、治癒が困難であり、難病に指定されている。近年、本邦では急激に患者数が増加し、22万人を超えると推定されている。

*2 クローン病(CD: Crohn's disease)
炎症性腸疾患に分類される原因不明の慢性腸炎であり、UCとは対照的に大腸だけでなく小腸を含む全消化管に病変が出現する病態である。難病に指定されており、UCと同様に本邦では急激に患者数が増加しており、7万人を超えると推定されている。

*3 Japanese 4D コホート
Japanese 4D(Disease、Drug、Diet、Daily life)マイクロバイオームコホートは、東京医科大学の永田尚義准教授らが中心となって進めている大規模な進行中プロジェクトである。本プロジェクトでは、日本人の腸内細菌叢、口腔細菌叢、代謝物質、宿主遺伝子、サイトカイン・ケモカインなどの膨大なオミクス情報と詳細な生活習慣や臨床情報を統合したデータを構築している。このオミクス情報を基に、健康や個々の疾患を予測するバイオマーカーの同定、生活習慣や微生物叢からみた疾患予防や健康長寿の実現、さらに微生物をターゲットとした新しい疾患治療法の開発に取り組んでいる。
https://www.tokyo-med.ac.jp/news/2022/0720_140210003017.html

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