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透析患者の生命予後や心血管イベントと尿酸生成抑制薬(XOR阻害薬)による治療との関連性における、尿酸排泄トランスポーター機能保持の重要性

Digital PR Platform / 2024年9月25日 14時0分

透析患者の生命予後や心血管イベントと尿酸生成抑制薬(XOR阻害薬)による治療との関連性における、尿酸排泄トランスポーター機能保持の重要性

 横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学教室 石井健夫客員准教授(善仁会横浜第一病院 副院長)、涌井広道准教授、田村功一主任教授、善仁会横浜第一病院 吉村吾志夫院長、東京医科大学医療データサイエンス分野 田栗正隆主任教授らの研究グループは、血液透析患者6,791名を対象とした観察研究データに対して、2種の尿酸生成抑制薬(XOR阻害薬*1:、アロプリノール(ALLO)、フェブキソスタット(FEB)*2)の生命予後や心血管イベントについての効果を、周辺構造モデル*3を用いた解析により比較しました。その結果、生命予後に関しては2種の尿酸生成抑制薬間で差が見られなかった一方で、心血管イベントに関してはアロプリノールでは薬剤非使用と比較して抑制効果が見られたもののフェブキソスタットによる抑制効果は認められませんでした(図1a,b)。
 本研究成果は、米国腎臓財団(National Kidney Foundation)の学術誌「Kidney Medicine」にオンライン掲載されました(2024年8月28日)。

研究成果のポイント

透析患者において2種の尿酸生成抑制薬はいずれも生命予後を改善した。
腎と腸管の排泄トランスポーターを阻害する尿酸生成抑制薬では心血管イベントの抑制効果が見られなかった。
尿毒症性物質の排泄促進の重要性が示唆された。








[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1706/95496/500_252_2024092415592666f2634e1d001.jpg






図1a 初回心不全発生までの時間に対する生存曲線。曲線が上にあるほど良い。




[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1706/95496/500_161_2024092416004766f2639f4a1c1.jpg


図1b 周辺構造モデルによる心不全発生に対するハザード比の推定結果。
ハザード比が1 を下回ると抑制効果を示唆。AG とPWP はいずれも再発イベントの取り扱い方法。


研究背景
 われわれは、2017 年に透析患者におけるXOR 阻害薬の使用は生命予後を改善するという研究結果を、国際学術誌Nature の「Scientific Reports」で発表しました(横浜市立大学プレスリリース:透析患者のXOR 阻害薬治療が生存率の向上につながる効果を初めて証明 https://www.yokohama-cu.ac.jp/amedrc/news/20171025_tamura.html
)。
 一方、2018 年に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)およびそれを受けて厚生労働省の第4 回安全対策調査会より、メタボリックシンドロームの高尿酸血症患者に対するXOR 阻害薬のフェブキソスタットの使用は、心血管イベントの発生率が高いのではないかとのフェブキソスタットの処方に関する安全注意文書が発出されましたが、その原因は不明でした。
 このため、今回我々は6,791 名の透析患者に対して、尿酸生成抑制薬(XOR 阻害薬)のアロプリノールとフェブキソスタットおよびXOR 阻害薬非使用の生命予後と心血管イベント発生に対する効果を比較する解析を行いました。

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